事例モデル1

明確な費用削減効果が得られるBPO

課題

サービス業を手がけるA社は、傘下の子会社3社と合わせて社員数約1,200名の企業グループを形成している。グループ全体の人事業務は、親会社であるA社内の人事サポートセンターで行われている。 これまでの人事サポートセンターの役割は、もっぱら給与と社会保険業務を間違いなくこなすことに限られていた。各社からの身上届やタイムカードを収集し、集計結果を給与計算アウトソーサと社会保険労務士事務所に渡すことが主な仕事だった。処理はもっぱら紙とエクセルに頼って行われていた。 A社の経営陣は、今後のグループの成長のために、人事サポートセンターに次の戦略的な役割を与えることにした。

  • 経営の意思決定に対する迅速かつ正確な人事情報の提供。
  • 現場の管理職に対する部下情報の提供。
  • 適切な勤怠管理。36協定の遵守。
  • そして、人事・給与業務の徹底的な効率化。目に見える明確な費用削減効果。

プロジェクトリーダーには、人事業務に関して豊富な経験をもつS氏が社外から登用された。S氏は早速情報収集を開始した。

アウトソーシングという選択肢

S氏にとって、基本的な選択肢は2つあった。一つはアウトソーシング、そしてもう一つはパッケージソフトである。 まずアウトソーシングに関して、これまでの経験からS氏は、「中途半端なアウトソーシングは決して効率化につながらない」という考えをもっていた。実務に触れることのない経営陣はアウトソーシングという言葉の響きに多大な効果を期待し、それだけで改善できると思っている。

しかし、S氏が経験してきたアウトソーシングサービスとは、アウトソーサから渡された分厚いマニュアルの指示通りに、自分たちで必要なデータを収集して入力して、「計算」ボタンをクリックする仕組みを提供してくれるだけのサービスに過ぎなかった。万が一、自分たちが間違ったデータを入力すれば、そのまま計算されてしまう。アウトソーサは計算処理をするだけで、入力データを一緒にチェックしてくれるわけではない。アウトソーサを使うことは、アウトソーサが決めたスケジュールに従って、アウトソーサのシステムを使いこなし、アウトソーサの都合の通りに仕事をすることである。

まして経営陣が示す戦略的な要求を満たしてくれるわけではない。アウトソーサが管理する情報は給与計算に必要な情報に限られている。管理職に部下情報を伝える仕組みもない。現在のアウトソーシング先を他に変更したところで、大きな違いがあるとは思えない。アウトソーシングはS氏の選択肢から消えていった。

パッケージソフトという選択肢

次の選択肢は、勤怠管理と給与計算が連動したパッケージソフトを導入することである。S氏にとってはこちらが本命だった。A社の要求に合うようにカスタマイズできれば、経営陣の要求を満たしながらも、効率化が図れる。導入には相当の期間も費用もかかるだろうが、得られる付加価値は大きいように思えた。

しかし問題は社内のリソースだった。子会社3社のうちの1社は、M&Aで合併した会社である。制度統合は未了で、A社とは異なる制度がまだ生き残っている。一つのパッケージソフト上に複数の企業の仕様を実装するのは、決して簡単なことではない。

そもそも、人事サポートセンターに情報システムに詳しい社員はいない。パッケージソフトを選んだとなれば、その導入にエンジニアリング・リソースが必要なことはもちろん、その後の運用を担当するリソースも必要である。なにしろ人事・給与ソフトというものは、年に数回の法改正対応のためのバージョンアップが不可欠なのだ。

給与計算の時期に障害が発生するのもリスクである。システム保守のための人材を採用するという案を、果たして経営陣は受け入れるだろうか。S氏のプロジェクトは暗礁に乗り上げたようだった。

ラクラスとの出会い

そのようなとき、S氏は社外の人事関係の知り合いから、「ラクラス」という会社を紹介された。「アウトソーシングは使えない」と考えていたS氏ではあるが、紹介された手前、話だけでも聞いてみることにした。 ラクラスのコンサルタントは、ラクラスのBPOと従来のアウトソーシングとの違いだけをシンプルにS氏説明した。そして社員とのインタフェースとなる就業管理とワークフローのデモを行った。

S氏は、Lacrasioの導入が完了し、運用が軌道に乗った後の懇親会で、そのとき受けたインパクトを次のように語った。「ラクラスの提案の中には、『アウトソーシングに出すなら、ここまでやってくれないと意味がない』と考えていたサービスがすべて含まれていた。正直なところ、そんなところまで本当にやっていて、アウトソーサとして採算が合うのかどうかの方を心配したほどだった」。

ラクラスのサービスに光明を感じたS氏は、矢継ぎ早に質問を繰り出した。例えば、インターネットを使ったサービスにおけるセキュリティの考え方についての質問があった。ラクラスの技術的・人的両面における対策とサポート体制は想定以上のものであった。グループのセキュリティポリシーは十分にクリアしていた。 経営陣からの宿題を実現するための数々の機能についても、またそれを実現するための実装方法についても、ラクラスのコンサルタントは即座に回答を返してきた。要望に対しては、常に複数の解決策が用意され、それぞれの長所・短所が説明された。ソリューションの柔軟性と経験の豊富さに対して、S氏はラクラスのプロフェッショナリティを感じた。

成果

CASE8

導入作業は、4ヶ月で完了した。経営陣からの宿題は、すべて合格した。ラクラスは、社員からの身上情報や人事部からの発令情報に従って、人事情報データベースを更新するサービスを提供している。人事部は、更新作業に手を下すことなく、常に最新の状態に更新されたデータベースを参照することができるようになった。適切な検索・出力条件を設定すれば、戦略人事情報を迅速に経営陣に届けることができる。

管理職は、ワークフローを通じて、部下の人事情報を参照できるようになった。基本的な人事情報はもちろんのこと、異動歴や職務歴、社内資格や教育受講歴、あるいはその月のその日までの残業時間を把握できるようになった。 従業員もワークフローから残業時間を参照することができる。長時間残業者とその上司に対しては、月の途中でも警告書が人事部から届けられる。36協定遵守のための仕組みとしてすぐに効果を発揮した。

さらに、S氏に対する経営陣からの評価を引き上げたのは、費用削減効果である。Lacrasio導入前のA社には、人事サポートセンターの3名と傘下の子会社にそれぞれ1名ずついた担当者3名と合わせて、計6名の専任者がいた。S氏が具申した稟議では、これを4名に減らすという計画だった。しかしLacrasioの運用が開始されて半年たったときには、S氏と部下の2名ですべての業務をこなしていた。4名のヘッドカウントの削減は、期待を大きく上回るものだった。

ラクラスは、S氏がコミットした以上の「目に見える明快な費用削減効果」を、経営陣に示すことができたのである。 S氏はラクラスとともにさらに業務を効率化し、自らは、経営目標の達成を管理面から支援するという仕組み作りに力を注いでいきたいと考えている。

ページTOPへ