
現状と課題
株式を公開したB社は、属している企業グループからの独立性をより明確にし、独自の強みを生かした中期経営計画の実現を市場から求められることになった。 中期経営計画の中には、人事制度改革が含まれていた。B社の人事制度は、持ち株比率は下がったものの、現在でも主要な株主である親会社の制度の特徴を色濃く残している。しかし、ハードウェア中心の親会社の制度を、ソフトウェア中心のB社に適用するのはどうしても無理がある。評価・報酬制度も含めて、人事制度を大幅に組み替えることは必須であった。
給与計算においてもB社は、同じ企業グループに属するSSC (Shared Service Center) を利用していた。SSCは、親会社と同じ制度を採用している子会社の給与計算を行うことはできる。しかし、B社が独自制度へと踏み出すのであれば、それは「SSCのサービスの範囲外である」との通知を受けていた。 B社の人事部門を統括するM氏は、人事制度改革を行うという経営戦略上の課題と、改革後の制度を効率的に運用するという実務上の課題の両方を、同時に達成するよう求められることになった。
達成すべき課題の詳細は次の通りである。
| 経営層・人事部の視点 | 現場の管理職・社員の視点 | |
|---|---|---|
| 経営戦略上の課題 |
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| 効率化の課題 |
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ラクラスの解答
当初M氏の中には、ソフトウェアの開発力という自社の強みを生かし、パッケージソフトを利用して、これらのシステムを自ら開発するという構想があった。しかし経営陣は、この構想を却下した。 議論の焦点は、社内のITリソースを、社内システム開発に投入することの是非であった。
開発段階だけではない。ハードやソフトを保有すれば、その維持・管理に社内の人材が永続的に費やされることになる。 人事・給与は重要な業務である。しかし、企業の競争力には影響することはない。 「社内リソースは競争力強化のために使う。ノンコア業務は外部リソースに任せるべきである」と経営陣は判断した。
複数のアウトソーサからの提案を検討した結果、B社はラクラスをパートナーとして選定した。これだけ多くの課題への解答を一社で提供できるアウトソーサはラクラスしかなかった。ラクラスのソリューションの概要は次の通りである。
- ITインフラとして、タイムカード、ワークフロー、および人事情報データベースをクラウドで提供した。これらのITインフラは、B社の新人事制度に合わせてカスタマイズされた。
- 自社内で行っていた給与の固定情報と変動情報の収集作業、およびSSCで行っていた給与計算のバッチ処理等の作業のすべてを代替するBPOサービスを提供した。給与計算システムもまた、新人事制度に合わせてカスタマイズされた。
- ラクラスはまた、経営者や人事部が、検索・出力条件を自分自身で組み合わせ、必要とする人事情報を自在に抽出できる人事情報データベースを提供した。また、現場の管理職が、部下情報や労働時間情報をリアルタイムに把握できるワークフローを提供した。B社内の基幹システムとLacrasioのクラウドを疎連携することにより、シングル・サイン・オンやデータ連携等の機能を実現した。
成果
日常的な人事業務に割かれるB社の人員は、Lacrasio導入前と比較して75%減少した。Lacrasioの利用料も含めた総コストは40%減少した。
B社に現在残っているのは、「人事上の意思決定を行う」業務だけである。B社は、効率化の結果として得た人材を戦略領域に異動させ、人事部の付加価値の向上に集中できるようになった。
これまで、SSCにその機能がないために実現できなかった、定量・定性情報の蓄積や抽出も容易に行えるようになった。その結果として人事部は、必要な人事施策やアイデアを、十分な裏づけ資料とともに、タイムリーに打ち出せるようになった。
現場においては、紙書類がなくなったことで人事部や管理職の作業負荷が大幅に軽減された。

















