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KITAHARA COLUMN キタハラコラム

第1回 実務の話を始めよう~マイナンバーのリアル

はじめに

キーマンズネット読者の皆様、はじめまして。ラクラス株式会社代表取締役の北原と申します。当社は、クラウドを活用した人事BPOサービスを提供しております。

2015年の話題が「マイナンバー」であることは言うまでもありません。当社はBPOサービスとしての「マイナンバー管理サービス」の提供を開始しておりますし、毎月定期的に「マイナンバーセミナー」も開催しております。7月には、人事部門および従業員教育用のDVDも発売開始となります。講師は私が勤めております。

話が微妙にすれ違う
~多くの皆様とマイナンバーについて話す中での気づき~

多くの皆様とマイナンバーについて語る機会があるわけですが、それなりに研究を進めている方との間でも、どうも最初は話がかみ合わないことがあります。かみ合わないというか、微妙なすれ違いを感じるのです。

その原因の一つは、国が昨年11月にガイドラインを出す前に開催されたいくつかのセミナーにおいて「やや煽りすぎ」ともいえる内容が流布されたためでしょう。マインナンバーを保管するサーバは、従来の人事・給与データが入っているサーバとは物理的に切り離されて独立していなければならない、などという話がまことしやかに語られていました。ベンダさんにとっては良い話でしょうが、企業にとってはたまったものではありません。もちろんこの話は、現在では国から明確に否定されています。

マイナンバーに関係する社内帳票を調べなければならない、という話もありました。調査に2ヶ月半かかり、その結果として400種類近くの社内帳票が発見された、という証言もありました。この話も残念ながら間違いです。

マイナンバーは、官公庁に提出する官公庁が決めた帳票に記載するものです。しかもそれらの帳票は、これまでにも使われていたものに過ぎません。そこに「個人番号記入欄」が新設されるのです。社内帳票が何百種類も存在するという状況は、事務効率的には解決すべき課題と思われますが、マイナンバーにはなんの関係もありません。

ちなみに、どの帳票にマイナンバーを記載するのかは、内閣官房・内閣府・特定個人情報保護委員会・総務省・国税庁・厚生労働省合作の「マイナンバー 社会保障・税番号制度 民間事業者の対応(平成27年5月版)」という資料の10〜21頁に明記されています。さらに22頁には、変更されない数十種類の帳票もリストアップされていますのでご参照ください。事業者から多くの質問があったために、この5月版から追加されたリストです。

逆に、国が「厳格」であることを求めているにもかかわらず、「本人確認」については楽観的な解釈が許されることに期待している方も多いようです。「雇用関係にあることなどから本人に相違ないことが明らかに判断できると個人番号利用事務実施者が認めるときには、身元確認のための書類の提示は必要ありません」という一文を見て(前掲書24頁)、「雇用関係にあるのだから本人であることは明らかに判断できる」と独断するのは間違いです。

個人番号利用事務実施者の一人である国税庁は、身元確認の方法について詳細な説明資料を発行しています。「番号法に基づく本人確認方法(平成27年3月)」をご覧ください。これを見れば、雇用関係があろうとも厳格な本人確認を行わなければならないのは明白です。

最後に

マイナンバーに関する解説は、ラクラス株式会社ホームページの「キタハラコラム」で第3回まで連載しておりました。この先は発表場所をこのキーマンズネットに移すことにいたします。

私のテーマは、「マイナンバーの実務」です。法律の解釈もさることながら、企業がマイナンバーの実務をいかにして安全に効率的に行うかを議論させていただきます。番号法の意義やら罰則の強化といった皮相な話題はもう終えて、そろそろ実務を語るべき時期でしょう。
もちろん、当社の「マイナンバー管理サービス」もところどころで紹介させていただきます。皆様の選択肢の一つとして検討願えれば幸いです。