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クラウド・BPO・BPaaSの最適解 給与計算業務を次の10年へつなぐ方法

給与システムの保守切れは“チャンス”になる。給与計算業務を変える方法とは?(後編)

2025.12.25
手帳を開きながらPCをみる

給与計算システムの保守切れを機に、業務プロセスや体制をどう再設計すべきか。クラウド、BPO、BPaaSなど移行モデルを比較し、成功へ導くステップを紹介します。

 
前編では、給与計算システムの保守切れがもたらすリスクと、そのタイミングで業務運用まで含めて見直す必要性について整理しました。

前編:なぜ今、給与計算システムの保守切れが問題なのか? 影響範囲と見直しポイントを徹底解説 (前編)

後編では、それらを踏まえたうえで、給与計算業務をどのような形で再設計すべきか、具体的な選択肢と進め方を解説します。

 

給与計算の保守切れ対応には、オンプレミスやクラウドといった「システムをどうするか」という視点だけでなく、業務をどこまで自社で担い、どこからを外部に委ねるのかという判断が欠かせません。
近年では、クラウドシステムとBPOを組み合わせた**BPaaS(Business Process as a Service)**という選択肢も広がりつつあります。

本編では、

  • クラウド・BPO・BPaaSそれぞれの特徴と考え方
  • 自社に合った移行モデルの選び方
  • 保守切れ対応をスムーズに進めるための実践ステップ

を整理し、次の10年を見据えた給与計算業務の最適解を探ります。

 

給与計算システム移行の選択肢

 

給与計算システムの保守切れに対応する方法は、大きく「システムを入れ替える」か「業務の一部または全部を外部委託する」の2つに分けられます。

まずは “システム移行による解決” と “アウトソーシングという業務モデルの切り替え” を分けて整理し、自社にとって最適な組み合わせを検討することが重要です。

 

【A】システムを入れ替えて続ける場合
(オンプレミス / クラウド)

① オンプレミス型システムの継続

オンプレミス型は、自社サーバで運用するためカスタマイズ性が高く、長年の運用ルールを維持しやすい点が特徴です。
一方で、以下のような“人事のコア業務以外の負荷”が引き続き発生します。

  • セキュリティ・法改正対応を自社で担い続ける必要がある
  • 障害対応や保守要員の確保など、IT運用コストが残る
  • 監査対応・証跡管理など、運用周りの負荷が増大

特に大企業では、内部統制要件により監査対応の手間が膨らんでしまうなど、“給与計算業務とは直接関係しない領域”に人事・情報システム部門の工数が割かれる傾向があります。

 

② クラウド型システムへの移行

クラウド型は、ベンダー側がアップデート・法改正対応・セキュリティ管理を担うため、運用負荷を大幅に削減できます。
初期投資も抑えやすく、保守切れのリスクも低減します。

ただし、注意点として:

  • 自社特有の複雑な給与ルールに対応しづらいケースがある
  • ベンダー仕様に合わせた業務プロセスの見直しが必要
  • システムの設定変更・運用ルール作成・問い合わせ対応などは、依然として社内で必要

クラウド移行は運用負荷を減らす手法として有効ですが、「業務そのものを軽くする」ためには限界がある点を整理しておくことが重要です。

 

【B】業務プロセスそのものを変える場合
(BPO / BPaaS)

③ BPO(アウトソーシング)の活用

給与計算そのものを外部に委託することで、人事が本来取り組むべきコア業務への集中を実現できる選択肢です。

メリット:

  • 制度改正対応や支給処理などの定型業務を移管できる
  • 異動・退職による属人化リスクを低減できる
  • 人事が担っていた「確認作業」「設定変更」「監査準備」まで負荷軽減
  • 組織全体の生産性向上につながる

一方で、委託範囲の明確化やSLAの整理など、運用設計は必須となります。

 

④ BPaaS(クラウド×BPO)という新しい選択肢

最近では、大企業を中心に クラウドシステム+BPO を組み合わせた「BPaaS」へ移行する企業が増えています。

BPaaSなら:

  • クラウドの自動アップデートにより法改正対応が迅速
  • BPOで計算実務・問い合わせ対応・運用業務を外部化
  • 自社は“チェックとガバナンス”に集中できる
  • 海外拠点を含めた標準化にも強い

クラウドとBPOの“いいとこ取り”ができる点が評価され、保守切れをきっかけにBPaaSに切り替えるケースが急増しています。

 

オンプレでもクラウドでも、システム移行を選ぶ限り、一定の「システム保守・設定変更・運用負荷」が残ります。
一方、BPOやBPaaSは、業務そのものを変える選択肢として、“給与計算をどう運営するか”という根本的な見直しを可能にします。

保守切れのタイミングは、「システムを変えるべきか」ではなく、「業務の持ち方そのものをどうしたいか」を考える絶好の機会です。

 

給与計算システム保守切れ対応の
進め方ステップ

 

給与計算システムの保守切れ対応は、単なるシステムの入れ替えではなく、人事業務全体の運用体制を見直し、将来につながる基盤を整える絶好の機会です。

ここでは、システム面と業務運用面を両軸で見直すためのステップを整理します。

1. 情報収集と社内合意形成
(システムの期限と業務課題を同時に可視化)

 

保守切れ対応の最初のステップは、現状の正確な把握です。
システム面では、以下を現ベンダーへ確認することが必須です。

  • 延長サポートの有無
  • サポート有りの場合の追加費用
  • 最終保守期限と制度改正対応の範囲

同時に、運用面でも「どこが属人化しているか」「どの業務がシステムに依存しているか」を棚卸しします。

また、人事・IT・経理・情報セキュリティなど関係者を早期に巻き込み、システム更新”と“業務改革”をセットで考える体制 を整えることが重要です。初期段階で経営層の決裁を得ることで、後続のプロジェクト進行がスムーズになります。

 

2. 要求事項の整理
(システム要件と業務要件を分けて整理)

 

次に、新しいシステムや運用モデルに求める要件を整理します。

  • 法改正への迅速な対応
  • 勤怠・会計・人事システムとの連携要件
  • 権限管理・セキュリティポリシー
  • 監査対応に必要な証跡管理
  • BPO活用時の役割分担(チェック業務と実務の線引き)

ここで重要なのは、システム要件だけでなく、人事業務全体の将来像を見据えて、“ありたい運用モデル”を定義することです。労務業務全般の品質と効率について検討する良い機会としましょう。

アウトソーシングやBPaaS(クラウド+BPO)を想定する場合は、「何を社内で行い、何を外部に任せるか」をこの段階で明確にしておくと、後のベンダー選定がスムーズになります。

 

3. システム・ベンダーの選定
(運用モデルに合った方式を選ぶ)

 

整理した要件をもとに、各ベンダー・サービスを比較します。
比較ポイントは以下の通りです:

  • 法改正対応力とスピード
  • 導入実績とサポート体制
  • グループ会社や海外拠点への展開性
  • BPO・BPaaSとの親和性
  • コストと保守負担の削減効果

近年は、クラウドシステム+BPO の組み合わせによって業務を効率化するBPaaS型の選択肢が増えています。
単にシステムを置き換えるだけでなく、「業務をどう持つのか」という視点でパートナーを検討することが重要です。

 

4. 要件定義と運用プロセスの再設計
(属人化排除・標準化・自動化のチャンス)

 

システム選定後は、要件定義と並行して運用プロセスを再設計します。

  • 旧システムに残っていた例外処理の是正
  • 手作業になっていたポイントの自動化
  • 権限・チェックフローの明確化
  • BPOを利用する場合の境界線の整理
  • 監査対応を見据えた“ログ・証跡管理”の設計

アウトソーシングやBPaaSを想定する場合は、「どこまで標準化して外部委託できるか」「どの工程は社内で判断すべきか」を明確にすることで、業務負荷を大きく減らすことが可能です。

 

5. 新システムの構築・テスト運用
(安定稼働と定着化)

 

構築後は、本番稼働前の並行運用が不可欠です。

  • 過去データを使った再計算テスト
  • 周辺システムとの連携テスト
  • エラー発生時の対応フロー確認
  • 操作教育・運用マニュアルの整備

アウトソーシングやBPaaS型を採用する場合は、ベンダー側(実務担当)と企業人事側(チェック担当)の“役割の境界線”を明確にすることで、運用が安定し、担当者の負荷軽減につながります。

 

このプロセスを踏むことで、給与計算システムの保守切れは単なる課題ではなく、業務効率化や外部委託を含めた戦略的改善のチャンスになります。計画的に進めることで、次の10年を支える堅牢な基盤を構築できます。

まとめ:給与計算システム保守切れは
“業務再構築の好機”

 

給与計算システムの保守切れは、単なるシステムの入れ替えや更新作業ではありません。むしろ「業務プロセスやコスト、役割分担まで含めた総合的な見直し」ができる、数少ないタイミングです。

 

  • リスクを把握する:保守切れはセキュリティリスクや法改正未対応、復旧不可の可能性など、大企業では周辺システムやグローバル統合システムへの影響も大きくなります。
  • 業務の棚卸し・運用見直し:旧システムの属人的な作業や例外処理を可視化し、改善策を検討することで、担当者の負担を軽減できます。
  • 最適な移行先を検討:オンプレミス・クラウド・BPOの特徴を比較し、自社の運用規模・複雑さに合った選択肢を選ぶことが重要です。最近では、クラウド+BPOのハイブリッド型(BPaaS)で効率と柔軟性を両立させる企業も増えています。
  • ステップに沿った計画的対応:情報収集、社内合意、要件整理、システム選定、運用再設計、テスト運用というステップを踏むことで、安全かつスムーズな移行が可能です。

 

今こそ行動を起こすタイミング

 

給与計算システムの保守切れは、単なる「期限問題」ではなく、将来を見据えた持続可能な業務再構築のチャンスです。このタイミングでリスクを可視化し、業務フローや役割分担、コスト構造まで見直すことで、組織の柔軟性と安定性を高めることができます。

特に、大企業では複雑な連携やグローバル統合も絡むため、早めに計画を立て、社内関係者の合意を得ながら進めることが成功の鍵です。また、BPOを組み合わせることで、担当者の負荷を減らし、より戦略的な業務に集中できる体制を作ることも可能です。

今こそ行動を起こし、システム更新と業務改革を同時に進めることで、給与計算業務を次の10年にわたって支える強固な基盤にしましょう。

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本記事(後編)では、保守切れを機に見直すべきポイントや、クラウド・BPO・BPaaSといった移行モデル、そしてスムーズな移行のためのステップをご紹介しました。
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