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年末調整の書類は税務署だけに提出するもの?書類別の提出先や注意点を解説

2025.12.11
税務署と書かれた看板

本記事では、年末調整に関する書類について税務署も含め提出先別に概要を解説します。また、年末調整に関するよくある質問も紹介していきます。年末調整手続きを適切に行うために「書類の提出先」や「取り扱い時のポイント」を調べている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

 

年末調整は、従業員が支払う所得税の過不足を精算したうえで、税務署および市区町村への書類提出が求められる手続きです。そんな年末調整では、精算前に従業員から書類の回収も行う必要があります。そのため、はじめて行う担当者やデジタル化が進んでいない会社の場合には、書類の取り扱いだけでも多くの手間がかかるでしょう。

 

そこで本記事では、年末調整に関する書類について提出先別に概要を解説します。
記事の後半では、年末調整に関するよくある質問も紹介していきます。

 

年末調整手続きを適切に行うために「書類の提出先」や「取り扱い時のポイント」を調べている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

 

年末調整書類は誰がどこに提出する?

 

年末調整は、「従業員への書類配布と回収」から始まり、「各所への書類提出と交付」で終わる手続きです。そして、年末調整の書類には、提出に関する以下の4つの流れと種類があります。

 

従業員が会社
(人事部)に
提出する書類
会社が各所に提出する書類 会社が従業員に
交付する書類
会社が税務署に
提出する書類
会社が市区町村に
提出する書類

【年末調整申告書関係】

  • 扶養控除等申告書
  • 配偶者控除等申告書
  • 保険料控除申告書
  • 住宅借入金等特別控除申告書
  • 基礎控除申告書
  • 所得金額調整控除申告書
  • 特定親族特別控除申告書
  • 源泉徴収票(年途中に入社した場合)
  • 給与所得の源泉徴収票等の
    法定調書合計表
  • 法定調書
    (源泉徴収票・支払調書)
  • 給与支払報告書
    (個人別明細書)
  • 給与支払報告書
    (総括表)
  • 源泉徴収票

 

<引用>:年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するよくある質問(FAQ)(令和7年10月改訂版)

 

ここからは、年末調整に関係する上記の提出書類について、それぞれの特徴や注意点などを確認していきましょう。

年末調整で「従業員が会社に提出」する書類の概要と注意点

 

人事給与担当者が年末調整を行ううえで最初に実施すべき手続きは、必要書類(申告書・添付書類)を従業員から回収することです。
具体的な手続きの流れは、紙運用とデジタル運用のどちらを選択するかで以下のように異なります。

 

 

【紙運用の場合】
 申告書を従業員に配布し、記入してもらった用紙と添付書類を回収する

【デジタル運用の場合】
 年末調整システム上で申告書情報の入力および添付書類を
 アップロードしてもらう

 

 

ここでは、年末調整で従業員が会社に提出する書類の種類と、それらの概要や注意点を紹介しましょう。

 

書類(1)扶養控除等申告書

 

扶養控除等申告書は、給与所得者が1年間の所得について各種控除を受けるために必要な書類です。雇用形態に関わらず、給与所得のあるすべての従業員が会社に提出すべきものとなります。

 

正式名称は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」であり、この申告書は個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」と統合した様式です。この申告書を提出する場合、以下の書類を添付しなければなりません。

 

 

  1. 勤労学生控除を受ける場合には、勤労学生に該当する旨を証する書類
  2. 源泉徴収において、非居住者である親族に係る扶養控除、障害者控除又は源泉控除対象配偶者の控除の適用を受ける場合には、その親族に係る親族関係書類
    (扶養控除の対象となる非居住者である親族が、年齢30歳以上70歳未満で、留学により国内に住所及び居所を有しなくなった親族である場合には、その親族に係る親族関係書類に加えて留学ビザ等書類)
  3. 年末調整において、非居住者である親族に係る扶養控除又は障害者控除の適用を受ける場合には、その親族に係る送金関係書類
    (扶養控除の対象となる非居住者である親族が、年齢30歳以上70歳未満で、給与所得者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている場合には、その親族に係る38万円送金書類)

 

<引用>:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告 (国税庁)

 

 

なお、年末調整に関係するすべての書類は、その年の最初に給与の支払いを受ける日の前日までに提出をしてもらいます。中途入社の場合には、会社に入って最初の給与の支払いを受ける日の前日までの提出が必要です。

 

扶養控除等申告書の様式や記載要領などは、国税庁の以下情報を確認してください。

 

<参考>:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告 (国税庁)

 

書類(2)基礎控除・配偶者控除・
所得金額調整控除・特定親族特別控除の申告書

 

給与所得者における以下の4つの控除に関する申告手続きは、1つの様式で行えます。

 

 

  • 基礎控除
  • 配偶者(特別)控除
  • 所得金額調整控除
  • 特定親族特別控除

 

 

申告書類は先述の扶養控除等申告書とは異なり、これらの控除が適用になる場合に提出してもらいます。

 

年末調整で非居住者である親族に係る配偶者(特別)控除や特定親族特別控除の適用を受ける場合、その親族にかかる送金関係書類および親族関係書類を添付しなければなりません。ただし、先述の「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出する際に、親族関係書類を提出もしくは提示している際には、ここで親族関係書類の提出・提示は不要となります。

 

なお令和7年は、特定親族特別控除の創設にともない、申請様式も変更となりました。令和7年の所得税について令和7年11月30日以前に年末調整を実施する場合、令和6年分のフォーマットを補正して使うなどの方法をとってください。

 

この手続きにおけるポイントは、国税庁の以下ページで詳しく解説されています。年末調整の前には必ずチェックしておきましょう。

 

<参考>:A2-4 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告(国税庁)

 

書類(3)保険料控除申告書(該当者のみ)

 

年末調整で、以下の4つの保険料控除を受ける際に必要な書類です。1枚の様式で4つの申告を行えるようになっています。

 

 

(1)生命保険料控除

(2)地震保険料控除

(3)社会保険料控除

(4)小規模企業共済等掛金控除

 

 

(4)については、以下の3つの掛け金が対象となります。

 

①小規模企業共済法の規定によって独立行政法人中小企業基盤整備機構と
 結んだ共済契約の掛金(ただし、旧第二種共済契約の掛金は
 この控除ではなく生命保険料控除の対象となります。)

②確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金または
 個人型年金加入者掛金

③地方公共団体が実施する、いわゆる心身障害者扶養共済制度の掛金
 (この共済制度とは、地方公共団体の条例で精神または
 身体に障害がある者を扶養する者を加入者として、その加入者が
 地方公共団体に掛金を納付し、当該地方公共団体が
 心身障害者の扶養のための給付金を定期に支給することを
 定めている制度のうち一定の要件を備えているものをいいます。)

 

<引用>:No.1135 小規模企業共済等掛金控除(国税庁)

 

保険料控除申告書を提出する場合は、以下の添付書類の提出が必要です。

 

生命保険料控徐
地震保険料控徐
小規模企業共済等控徐

社会保険料控除
その支払金額を証する書類(旧生命保険料は支払金額から剰余金や割戻金の額を差し引いた残額が9,000円を超える場合)を1部提出 社会保険料のうち国民年金保険料等については、その支払金額を証する書類を1部提出(※国民年金保険料等以外の社会保険料については、添付不要)

 

<出典>:A2-3 給与所得者の保険料控除の申告(国税庁)

 

保険料控除申告書についても、令和7年分と令和6年分で異なる様式が用意されています。年末調整では、国税庁の以下のページから最新のものをダウンロードして従業員への配布をしてください。

 

<参考>:A2-3 給与所得者の保険料控除の申告(国税庁)

<参考>:No.1135 小規模企業共済等掛金控除(国税庁)

 

書類(4)
住宅借入金等特別控除申告書(該当者のみ)

 

いわゆる“住宅ローン控除”と呼ばれる制度を利用するための書類です。

 

住宅ローン控除とは、個人が住宅ローンなどを利用してマイホームの新築・取得・増改築などを行った場合に、一定要件を満たせば所得税減税が受けられる制度になります。正式名称は、住宅借入金等特別控除です。

 

給与所得者の場合、住宅ローン控除を受ける最初の年の分については、自分で確定申告をしなければなりません。しかし、2年目以後の分については、会社が行う年末調整で控除を受けられるようになります。この場合に従業員が会社に提出すべき書類の正式名称は、以下のとおりです。

 

 

  • 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

 

 

住宅ローン控除の提出書類は、以下のとおりとても複雑です。また、適用要件にも多くの注意点があります。
従業員から提出された添付書類をチェックする際には、国税庁のページを参考にしながら慎重に作業を進めてください。

 

番号 提出書類
1 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
※ 連帯債務がある場合は「(付表)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」も必要です。
2 金融機関等から交付された
「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」
3 家屋の「登記事項証明書」などで床面積が50平方メートル以上(一定の特例措置の適用時は、40平方メートル以上50平方メートル未満の場合あり)であることを明らかにする書類
4 家屋の「工事請負契約書」または家屋の「売買契約書」の写しなどで家屋の取得対価の額を明らかにする書類
5 <土地の購入に係る住宅借入金等について控除を受ける場合>
(1)土地の「登記事項証明書」(注1)などで敷地の取得年月日を明らかにする書類
(2)土地の売買契約書の写しなど土地の取得対価の額を明らかにする書類
6 <国または地方公共団体等から補助金等の交付を受けた場合>
市区町村からの補助金決定通知書などの補助金等の額を証する書類
7 <住宅取得等資金の贈与の特例(措法70の2、70の3)を受けた場合>
贈与税の申告書など住宅取得等資金の額を証する書類の写し

 

<出典>:No.1212 住宅の新築等をし、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)(国税庁)

 

書類(5)源泉徴収票(年途中で入社した場合)

 

年末調整は、1年を通じて自社で働いている従業員はもちろんのこと、年の中途で入社して年末まで勤務している人も対象となる手続きです。

 

たとえば、2025年の5月末までほかの会社で働き、7月から入社して年末まで自社に在籍している従業員は、「5月までは前職で税金などを払っている」と考えるのが自然でしょう。この従業員について自社で年末調整を行う際には、前職で払っていた税額などの情報が必要です。その情報を知るために提出してもらうのが、「前職で受け取った源泉徴収票」になります。

 

従業員が源泉徴収票を紙で受け取っている場合、会社が年末調整を行う12月までに紛失してしまうリスクがあります。従業員本人が入社時に前職から受け取った源泉徴収票を持っているようであれば、入社手続きのなかで受け取っておくとよいでしょう。

 

<参考>:No.2674 中途就職者の年末調整(国税庁)

 

年末調整で「会社が税務署に提出」する書類の概要と注意点

 

年末調整を終えたあと、会社が税務署に提出する書類には以下の2種類があります。

 

 

(1)法定調書(源泉徴収票・支払調書)

(2)給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

 

 

それぞれの概要と注意点などを確認していきましょう。

 

(1)法定調書(源泉徴収票・支払調書)

 

法定調書とは、以下の4つの法律にもとづき税務署への提出が義務付けられている書類の総称です。

 

 

  • 所得税法
  • 相続税法
  • 租税特別措置法
  • 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る
    調書の提出等に関する法律

 

<出典>:No.7400 法定調書の提出義務者(国税庁)

 

 

法定調書には全部で63もの種類があり、そのなかで人事給与の担当者が年末調整で作成・提出するものは、以下の3種類が中心になります。令和7年分に関する対象者の概要と主な出力項目は、以下のとおりです。

 

  給与所得の源泉徴収票
(給与支払報告書)
退職所得の源泉徴収票 報酬、料金、契約金
及び賞金の支払調書
対象者の概要

令和7年中に俸給、給料、賃金、歳費、賞与その他これらの性質を有する給与(以下「給与等」といいます。)を支払った方。

令和7年中に法人の役員に対して退職手当、一時恩給その他これらの性質を有する給与を支払った方。ただし、死亡退職により退職手当等を支払った場合は、提出不要。 令和7年中に所得税法第204条第1項各号、所得税法第174条第10号及び租税特別措置法第 41条の20第1項に規定されている報酬、料金、契約金及び賞金の支払をする方。
主な出力項目

(1)支払を受ける者
(2)種別
(3)支払金額
(4)給与所得控除後の金額
   (調整控除後)

(5)所得控除の額の合計額
(6)源泉徴収税額
(7)(源泉)控除対象
   配偶者の有無等

(8)配偶者(特別)控除の額
(9)控除対象扶養親族
   等の数(配偶者を除く)

(10)16歳未満扶養親族
   の数 

などの29項目

(1)支払を受ける者
(2)区分
(3)支払金額
(4)源泉徴収税額
(5)特別徴収税額
(6)退職所得控除額
(7)勤続年数
(8)(摘要)
(9)支払者

(1)支払を受ける者
(2)区分
(3)細目
(4)支払金額
(5)源泉徴収税額
(6)(摘要)
(7)支払者

 

給与所得の源泉徴収票の場合、「給与等の支払者が、給与等を支払ったすべての受給者について作成し交付すること」とされているものの、税務署に提出するのは以下のものに限られます。

 

提出範囲
(年末調整をしたもの)
提出範囲
(年末調整をしなかったもの)

(1)法人の役員(現に役員をしていなくても、その年中に役員であった者を含みます。)については、その年中の給与等の支払金額が150万円を超えるもの。なお役員には、相談役、顧問その他これらに類する方が含まれます。

(2)弁護士、司法書士、税理士等については、その年中の給与等の支払金額が250万円を超えるもの

(3)上記(1)および(2)以外の者については、その年中の給与等の支払金額が500万円を超えるもの

なお、上記(2)の弁護士等に対する支払は、給与等として支払っている場合の提出範囲ですので、報酬として支払う場合には、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を提出することとなります。

(1)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した方で、その年中に退職した方や、災害により被害を受けたため給与所得に対する所得税および復興特別所得税の源泉徴収の猶予を受けた方については、その年中の給与等の支払金額が250万円を超えるもの

ただし、法人の役員については、50万円を超えるもの

(2)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した方で、その年中の主たる給与等の金額が2,000万円を超えるため、年末調整をしなかったもの

(3)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなかった方(給与所得の源泉徴収税額表の月額表または日額表の乙欄または丙欄の適用者)については、その年中の給与等の支払金額が50万円を超えるもの

 

<引用>:No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等(国税庁)

 

法定調書の提出日は、「年末調整を行った翌年の1月31日」になることが多いです。ただし、令和7年分の年末調整では、翌1月31日が土曜日であることから、例外的に「令和8年2月2日(月)まで」の期限になっています。

 

なお、人事給与の担当者は自社に関係する上記の法定調書とあわせ、後述する「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を期限までに提出する必要があります。

 

(2)給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

 

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表とは、税務署に提出する法定調書の先頭につける「表紙」のようなものです。この合計表では、以下6つの法定調書の各人員数や支払金額などをまとめるイメージになります。

 

 

 1. 給与所得の源泉徴収票
 2. 退職所得の源泉徴収票
 3. 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
 4. 不動産の使用料等の支払調書
 5. 不動産等の譲受けの対価の支払調書
 6. 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

<出典>:給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(国税庁)

 

 

年末調整で税務署に提出する法定調書および合計表には、多くの注意点があります。各書類の詳細は、以下の記事や国税庁のホームページで確認してください。

 

<参考>:令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引<PDF>(国税庁)

 

給与支払い報告書

年末調整で「会社が市区町村に提出」する書類の概要と注意点

 

年末調整を終えた後、会社から市区町村に提出する書類は以下の2つです。

 

 

(1)給与支払報告書(個人別明細書)

(2)給与支払報告書(総括表)

 

 

それぞれの概要を見ていきましょう。

 

(1)給与支払報告書(個人別明細書)

 

給与支払報告書の個人別明細書とは、多くの項目が「給与所得の源泉徴収票」と同じ書類です。

 


支払を受ける者


種別


支払金額


給与所得控除後の金額
(調整控除後)


所得控除の額の合計額


源泉徴収税額


(源泉)控除対象
配偶者の有無等


配偶者(特別)控除の額


控除対象扶養親族等の数
(配偶者を除く)


16歳未満扶養親族の数


障害者の数
(本人を除く)


非居住者である親族の数


特定親族特別控除の額


社会保険料等の金額


生命保険料の控除額/地震保険料の控除額


住宅借入金等
特別控除の額


生命保険料の金額の内訳/国民年金保険料等の金額/旧長期損害保険料の金額


住宅借入金等特別控除の額の
内訳


基礎控除の額


所得金額調整
控除額


(源泉・特別)控除対象配偶者 控除対象扶養親族等


配偶者の
合計所得


16歳未満の
扶養親族


備考


未成年者から勤労学生までの
各欄


中途就・退職


元号


支払者


(摘要)

 

両者の大きな違いは、名称およびマイナンバー記載に関する点です。市区町村に提出する給与支払報告書の場合、以下の項目のマイナンバー記載について源泉徴収票とは異なる対応を行います。

 

 

【16歳未満の扶養親族】
 この項目に16歳未満扶養親族のマイナンバーも記載する

【備考】
 退職手当等の支払いを受ける一定の配偶者または
 扶養親族のマイナンバーも記載する

 

 

給与支払報告書は、市区町村提出用として1枚作成するだけ良い書類です。源泉徴収票のように従業員本人に交付する必要はありません。

 

給与支払報告書の提出日は、給与の支払いがあった翌年の1月31日です。これは源泉徴収票における税務署への提出期限と同じになります。ただし令和7年分は、令和8年1月31日が土曜日であることから、令和8年2月2日(月)までに提出することになります。

 

<参考>:令和8年度(令和7年分)の給与支払報告書の提出をお願いします(福井市)

 

(2)給与支払報告書(総括表)

 

給与支払報告書(総括表)は、先述の給与支払報告書(個人別明細書)とセットで提出するもので、個人明細の先頭につける「表紙」のようなものになります。記載項目は、以下のとおりです。

 


指定番号


提出日


給与の支払期間


給与支払い者の個人番号または法人番号


給与支払者の氏名
または名称


所得税の源泉徴収をしている事業所
または事業の名称


同上の所在地


給与支払者が法人である場合の代表者の氏名


連絡者の氏名・所属課・係名および
電話番号


関与税理士等の氏名および電話番号


事業種目


受給者総人数


報告人数


所轄税務署名


給与の支払い方法
およびその期日


納入書の送付

 

<参考>:給与支払報告書(総括表)(総務省)

 

年末調整で「会社が従業員に交付」する書類の概要と注意点

 

年末調整による精算を終えたら、従業員にも源泉徴収票を作成・交付します。
内容は、先ほど紹介した税務署に提出するものと同じで問題ありません。

 

年末調整の手続き全体で見ると、人事担当者は以下の枚数の源泉徴収票(給与支払報告書)を作成する必要があるでしょう。

 

【税務署への提出を要する受給者分】

給与所得の源泉徴収票 給与支払報告書
税務署提出用 1枚 市区町村提出用 1枚
従業員への交付用 1枚

 

【税務署への提出を要しない受給者分】

給与所得の源泉徴収票 給与支払報告書
従業員への交付用 1枚 市区町村提出用 1枚

 

<参考>:No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等(国税庁)

 

年末調整の申告書(書類)を提出しないとどうなる?

 

年末調整は、申告書(書類)に関する以下の3つのやり取りをすべて行ってはじめて完結する手続きです。

 

 

(1)従業員から会社に書類を提出する

(2)会社から税務署・市区町村に書類を提出する

(3)会社から従業員に書類を交付する

 

 

従業員および会社が自身に求められる書類を適切に提出しない場合、ペナルティを中心とするさまざまな問題が起こる可能性があります。
ここでは、年末調整の書類を期限までに提出しない場合に生じる諸問題を確認しましょう。

 

従業員が会社に申告書を提出しない場合の問題と
ペナルティ

 

年末調整は、給与所得者である従業員の税金に関する精算を会社が本人に代わって行う手続きです。

 

そこで従業員が「申告書」や「添付書類」、「前の職場から受け取った源泉徴収票」などを提出しない場合、企業はその人について「年末調整を行えない(年末調整の義務はない)」ということになります。会社側がきちんと提出の案内や催促を行っていて、それでも提出がない場合は、税務署からペナルティが科せられることはないと考えてよいでしょう。

 

この場合、従業員は自分で確定申告を行わなければなりませんが、1つ注意点があります。それは、最大95万円の基礎控除が、勤務先に基礎控除申告書を提出してはじめて受けられる控除だということです。

 

従業員が年末調整に必要な申告書類を提出できなかった場合は、自ら確定申告を行います。基礎控除を含む各種控除は、確定申告で適用可能です(年末調整で控除しきれなかった分も確定申告で調整できます)。

 

また、さらにこの確定申告も忘れたり、期限までに算出された所得税を納付しなかったりした場合、納付すべき税金に5%の割合を乗じた加算税がかかります。税務署からの調査の事前通知の後に期限後申告となった場合は、この割合が10%になります。

 

<参考>:No.2024 確定申告を忘れたとき(国税庁)

<参考>:給与所得者(従業員)の方へ(令和7年分)(国税庁)

 

会社が所定の提出先に書類を提出しない場合の問題とペナルティ

 

年末調整を終えたあと、ルールに則って税務署・市区町村・従業員本人に書類の提出(交付)を行うことは、給与支払者である会社の義務です。所定の提出先に書類提出しなかったり、期限を過ぎて対応が著しく遅れたりした場合、以下のような問題および法的リスクが発生する可能性があります。

 

 

  • 所得税法違反により、税務調査の対象になる
  • 源泉徴収義務違反(所得税法の第241条・242条違反)により、
    1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑が科せられる

 

 

さらに、源泉徴収税の納付が遅れた場合は延滞税(年率は毎年見直し。最新の割合は国税庁の公表値を確認)や不納付加算税(10%)がかかります。また、徴収した源泉徴収税を納めなかった場合、所得税法第240条の違反により、10年以下の懲役または200万円以下の罰金になるでしょう。

 

年末調整に関するよくある質問

 

最後に、年末調整について人事給与担当者および従業員からよくある質問とその答えを紹介しましょう。

 

Q.年末調整と確定申告って何が違うのでしょうか?

 

年末調整と確定申告は、どちらも所得税に関する手続きです。ただし、給与所得者に関するこれらの手続きは、実施者・目的・実施時期だけ見ても以下のように大きな違いがあります。

 

  年末調整 確定申告
実施者 勤務先企業 従業員本人(必要があれば)
目的 給与所得者の所得税の
過不足を調整するため
年間所得から納めるべき
所得税額を申告するため
実施時期 10月頃~翌1月31日まで(例年) 2月15日~3月15日(例年)

 

勤務先企業では、給与や賞与などを支払った従業員が年末調整の対象であれば、申告書を提出してもらい、所得税の過不足を精算して税務署・市区町村に法定調書を提出します。そこで従業員が年末調整の対象ではなかったり、会社が定めた期限までに申告書を提出できなかったりする場合、2月中旬以降に自分で確定申告を行うことになるでしょう。

 

<参考>:給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引<PDF>(国税庁)

<参考>:【確定申告・還付申告】(国税庁)

 

Q. 年末調整の対象となる人・ならない人の違いは何でしょうか?

 

年末調整の対象となる人・ならない人には、以下のような違いがあります。

 

年末調整の対象となる人

年末調整の対象ではない人
(給与所得者で確定申告が必要な人)

12月に行う年末調整の
対象となる人
年の中途で行う年末調整の
対象となる人

12月に行う年末調整の対象となる人は、会社などに1年を通じて勤務している人や、年の中途で就職し年末まで勤務している人です。(※青色事業専従者は年末調整の対象外です)

ただし、次の2つのいずれかに当てはまる人は除かれます。

(1)1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人


(2)災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得税および復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人

年の中途で行う年末調整の対象となる人は、次の5つのいずれかに当てはまる人です。

(1)海外支店等に転勤したことなどの理由により非居住者となった人

(2)死亡によって退職した人

(3)著しい心身の障害のために退職した人(退職した後に再就職をし給与を受け取る見込みのある人は除きます)

(4)12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人

(5)いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が123万円以下である人(退職後その年に他の勤務先から給与の支払を受ける見込みのある人は除きます)

したがって、年の中途で退職した人で(1)から(5)以外の人は年末調整の対象となりません。

しかし、給与所得者であっても次のいずれかに当てはまる人(確定申告をすれば税金が還付される人は除きます)は、確定申告をしなければなりません。

(1)給与の年間収入金額が2,000万円を超える人

(2)給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人

(3)給与を2か所以上から受けていて、かつ、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える人(注)

(注) 給与の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除く)を差し引いた金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下の人は、申告は不要です。

(4)同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人

(5)災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人

(6)源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人

(7)退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

 

<参考>:No.2665 年末調整の対象となる人(国税庁)

<参考>:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)

 

Q.令和7年度の年末調整で何か変更はありますか?

 

令和7年度の税制改正では、以下の4点が変更になりました。

 

 

  • 基礎控除の見直し
  • 給与所得控除の見直し
  • 特定親族特別控除の創設
  • 扶養親族等の所得要件の改正

 

<参考>:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)(国税庁)

 

 

これにともない、従業員から提出してもらう申告書の確認ポイントなどにもいくつかの変更点があります。詳細については以下の記事で解説していますので、ぜひチェックしてください。

 

【関連記事】【令和7年度改正】年末調整業務の変更ポイント デジタル化で改正対応するメリットも解説

 

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