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定期昇給とは?その実施率と昇給平均額、制度設計時に注意すべきポイントを解説

2026.01.13
指と矢印

本記事では、定期昇給の概要やメリット・デメリット、日本企業で使われることが多い昇給制度の種類を詳しく解説します。また、企業規模・業種・男女別の昇給平均額や、定期昇給の現状および今後の展望なども紹介していきますので、「定期昇給」について詳しき知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

定期昇給は、従業員の基本給を上げる仕組みの一種です。

 

定期昇給は、終身雇用や年功序列制度との相性が良いことから、古くから多くの日本企業で採用されてきた仕組みです。ただ、近年のビジネス環境では働く人の転職が一般化しており、定期昇給からほかの方法に見直しを検討する企業も増え始めるようになっています。

 

そこで本記事では、定期昇給の概要やメリット・デメリット、日本企業で使われることが多い昇給制度の種類について詳しく解説します。記事の後半では、企業規模・業種・男女別の昇給平均額や、定期昇給の現状および今後の展望なども紹介していきます。

 

給与制度の設計および見直しを図るなかで、「定期昇給」というキーワードに関心を持っている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

 

定期昇給の基本を理解しよう

 

定期昇給の制度を設計し、適切に運用するためには、定期昇給の基本を理解することが大切です。ここではまず、定期昇給の定義や目的、他の関連用語との違いを確認しましょう。

 

定期昇給とは

 

定期昇給は、冒頭でも触れたとおり従業員の基本給を上げる仕組みのひとつです。ただし、定期昇給は法律用語ではありません。そのため、専門家や労働組合などの団体ごとに、定義に若干の違いがあります。

 

たとえば、日本の労働組合におけるナショナル・センター(中央労働組合)である「連合」では、企業が作成した賃金表や昇給表にもとづき、「年齢が1歳、または勤続が1年増えることによって賃金が増額されるもの」を定期昇給と定義しています。

 

また、専門家のなかには、「企業が決めた任意のタイミングで定期的に昇給を行うこと」と定義する社会保険労務士もいるようです。

 

上記を総合すると、一般的な定期昇給制度は、その名のとおり「定期的に昇給が行われること」は共通しているものの、具体的なタイミングや判断基準などは各企業が独自に決定できる実態が見えてきます。

 

企業がこれから定期昇給制度を導入する場合、上記のような基本定義を参考にしながら公平性や透明性に配慮し、労使がWin-Winになる仕組みを設計・運用していく必要があるでしょう。

 

<参考>:定期昇給とは?(連合栃木(日本労働組合総連合会栃木県連合会))

 

定期昇給とベースアップ(ベア)の違い

 

定期昇給をより詳しく理解するうえでは、昇給に関連する他の用語との違いを見ていくことも一つの方法です。たとえば、報道でも話題になることが多いベースアップ(ベア)は、「昇給」の点では定期昇給と共通しているものの、対象が異なる仕組みになります。

 

定期昇給とベースアップの大きな違いは、昇給が「個人と企業のどちらに紐づくか?」です。

 

ベースアップは、「企業」の業績などに応じて全従業員の給与を一律で上げる仕組みです。たとえば、労働組合と経営陣が春闘で交渉を行い、「基本給◯%のベースアップ」が決まった場合、全従業員の基本給が同率で引き上げられることになります。

 

これに対して定期昇給は、「従業員個人」の年齢・勤続年数・業績などに応じて昇給する仕組みとなります。

 

定期昇給における一般的な効果とメリット

 

先述のとおり、定期昇給の制度には企業ごとに基準やタイミング、考え方などが異なる特徴があります。

 

ここでは、「定期昇給=会社が決めた任意のタイミングで定期的に昇給が行われるもの」という最もシンプルな仕組みのなかで、従業員および企業側が期待できる一般的なメリットを紹介しましょう。

 

定期昇給による従業員側のメリット

 

定期昇給が従業員にもたらす大きな効果は、年齢・勤続年数・業績などの基準をクリアすれば、就業規則で定められた時期に基本給が上がる点です。

 

たとえば、勤続年数をベースとする賃金表があり、それをもとに定期昇給が実施される場合、「今年で勤続年数20年だから、来年4月には賃金が◯万円(◯%)上がるだろう」といったある程度の賃金予測が可能となります。

 

定期昇給制度が整備された企業で働く場合、結婚・出産、マイホーム購入、子どもの受験への備えといった「ライフプラン設計」を行いやすくなるでしょう。

 

定期昇給による企業側のメリット

 

定期昇給の導入・運用による企業側の代表的な効果は、「人件費を把握しやすくなること」「従業員の定着率が上がりやすくなる可能性があること」の2つです。

 

まず、たとえば従業員の出入り(入社・退社)があまり頻繁に起こらない企業において、年齢×勤続年数を基準に定期昇給する仕組みにした場合、人件費の管理と予測を行いやすくなります。

 

また、定期昇給のなかで「子どもの将来のために貯金をする」や「住宅ローンの契約をする」といったことを始めた従業員は、今後も収入の安定性を重視することになりますから、会社が昇給制度を見直さない限りは、“定着が期待できる層”になる可能性が高いでしょう。

 

定期昇給による一般的なデメリット

 

定期昇給制度を導入・運用した場合、従業員と企業に以下のデメリットが生じる可能性があります。詳しく見ていきましょう。

 

定期昇給による従業員のデメリット

 

定期昇給の場合、年齢や勤続年数を軸とする賃金表を基準にすることが多いです。そこで生じるのが、「優秀な人材の賃金アップが難しい」という問題です。

 

たとえば、非常に優秀な25歳の営業人材・Aさんが入社してきたと仮定します。Aさんは入社1年目で営業成績トップになったのですが、年齢・勤続年数を重視する定期昇給制度のなかでは、群を抜いた業績があまり評価されません。

 

もちろん、賃金表に業績評価を加えることでAさんのような人材に有利な仕組みになったりすることもあります。しかし、年齢・勤続年数が主軸になっていれば、業績への貢献度は反映されにくいでしょう。

 

定期昇給による企業側のデメリット

 

定期昇給を導入・運用すると、企業側には「優秀な人材の確保が難しくなること」「余計な人件費がかさみやすくなる可能性があること」という2つのリスク・デメリットが生じます。

 

まず、定期昇給制度の組織では、「勤続年数が短いから」や「年齢が若いから」などの理由から、先述のように高い業績をあげるAさんのような人材に対して、成果に見合う基本給アップをさせられない可能性があります。

 

そこで、たとえばAさんよりも業績が低い「社歴20年のBさん」や「40歳のCさん」のほうが多くの給与をもらっていた場合、Aさんには「適切な評価が得られない」などの不満や違和感からモチベーションが低下してしまい、離職の動機につながりやすくなるでしょう。

 

第2の問題は、余計な人件費がかさみやすくなる可能性がある点です。

 

年齢や勤続年数を軸とする定期昇給制度は、いわゆる年功序列と似た仕組みになります。年功序列の場合、成果主義的な要素は低くなるため、あまり業績をあげられない人でも、年齢や社歴が長くなればそれなりに給与が上がっていきます。

 

そこで、仮にコロナ禍のような外的環境の変化によって多くの従業員が成果を出せなくなった時、それでも基本給を上げ続けなければならない定期昇給の仕組みが経営の足かせになるかもしれません。

 

定期昇給制度の現状と将来の展望

 

将来の展望については、結論からいってしまうと定期昇給は日本企業のなかで縮小傾向にある仕組みです。

 

その理由は、大企業を中心に終身雇用・年功序列が崩壊し、不確実性の高い“VUCA”の時代のなかで、大半の会社が業績を効率よくあげる必要が出てきました。そのため、成果主義中心の人事評価や昇給制度にシフトする傾向が高まっているからです。

 

ただし、一部の職種や業種では、定期昇給を代表する年功序列的な仕組みを「今後も機能させていきたい」と考える企業も存在しているようです。

 

改めてまとめると、いずれにせよ近年のビジネス環境には以下のように多くの変化が生じていることは間違いありません。

 

 

  • 終身雇用・年功序列の崩壊
  • 転職の一般化
  • 働き方やキャリアの多様化
  • 不確実性が高く急速な変化が起こりやすいVUCA時代

 

 

こうしたなかで優秀な人材の定着を促し、高いモチベーションのなかで多くの業績をあげてもらうためには、賃金・評価制度全般を時代に合った仕組みに変えていくことも考える必要があるかもしれません。

 

さらに、会社および個人の成長につながる仕組みにするためには、賃金・評価制度に対する従業員の意見や不満に耳を傾け、経営陣と現場の認識をあわせることも重要でしょう。

 

定期昇給制度の有無と実施状況

 

賃金・昇給制度を見直す際には、自社と同規模・同業種の企業が「どのような運用をしているか?」に着目するのも一つのポイントです。ここでは、令和7年における定期昇給制度の有無や実施状況について、厚生労働省の資料「3 定期昇給制度、ベースアップ等の実施状況」で示されている情報を見ていきましょう。

 

【企業規模別】定期昇給制度の導入・実施状況

 

令和7年における企業規模別の定期昇給制度の有無および実施状況は、以下のとおりです。

 

企業規模 定期昇給
制度あり
定期昇給の実施状況 定期昇給
制度なし
定期昇給を
行った・行う
定期昇給を
行わなかった
・行わない
定期昇給を
延期した
全体 81.2% 76.8% 2.6% 0.1% 17.7%
5,000人以上 88.7% 86.8% 1.0%

10.3%
1,000人以上~4,999人 92.0% 90.0% 1.9% 7.7%
300~999人 85.4% 85.4% 0.7% 0.0% 13.5%
100~299人 78.7% 73.4% 3.3% 0.2% 20.0%

 

<出典>:3 定期昇給制度、ベースアップ等の実施状況(厚生労働省)

 

上記の情報から、「定期昇給制度の導入率」および「令和7年における定期昇給の実施率」が最も高いのは、「1,000人以上~4,999人」の層であることがわかります。

 

また、この調査で最も小規模な層である「100~299人」では、20%もの企業が定期昇給制度を未導入のようです。傾向として、規模が小さい企業ほど、定期昇給制度は未導入であることが多いといえるでしょう。

 

【業種別】定期昇給制度の導入・実施状況

 

次に、令和7年における定期昇給制度の導入および実施状況を業種別に見ていきましょう。

 

業種 定期昇給
制度あり
定期昇給の実施状況 定期昇給
制度なし
定期昇給を
行った
・行う
定期昇給を
行わなかった
・行わない
定期昇給を
延期した
鉱業、
採石業、
砂利採取業
100.0 100.0
建設業 67.7 55.9 5.9 19.1
製造業 89.2 88.0 0.5 10.5
電気・
ガス・
熱供給・
水道業
100.0 100.0
情報通信業 89.6 86.2 2.2 7.5
運輸業、
郵便業
68.7 64.4 4.3 31.2
卸売業、
小売業
79.4 74.5 2.0 20.5
金融業、
保険業
82.7 75.3 0.8 17.3
不動産業、
物品賃貸業
95.2 89.4 3.7 4.8
学術研究、
専門・
技術サービス業
87.1 84.1 3.0 9.8
宿泊業、
飲食サービス業
63.3 57.2 2.7 1.0 34.1
生活関連サービス業、
娯楽業
82.7 75.4 7.0 17.3
教育、
学習支援業
83.5 79.1 1.9 0.6 16.5
医療、福祉 84.2 69.0 9.1 2.0 15.8
サービス業
(他に分類されないもの)
74.6 70.2 4.0 24.9

 

<出典>:3 定期昇給制度、ベースアップ等の実施状況(厚生労働省)

 

上記のデータを見ると、「鉱業、採石業、砂利採取業」と「電気・ガス・熱供給・水道業」では、調査対象企業の100%が「定期昇給制度あり」かつ「定期昇給を行った・行う」であることがわかります。

 

また、以下の業種でも対象企業の85%以上が定期昇給制度を導入している状況です。

 

 

  • 製造業
  • 不動産業、物品賃貸業
  • 電気・ガス・熱供給・水道業
  • 学術研究、専門・技術サービス業
  • 情報通信業

 

 

これに対して、以下の業種では、定期昇給制度の導入率が70%を下回っています。

 

 

  • 建設業
  • 運輸業、郵便業
  • 宿泊業、飲食サービス業

 

 

ブロックと書類

昇給の平均額を知る

 

労働組合による春闘(春季労使交渉)で決まったベア(ベースアップ)なども、昇給・賃金制度の設計をするうえで参考になる情報です。

 

ここでは、一般社団法人 経済団体連合会とパーソルキャリアが運営するdoda(デューダ)の情報を通じて、業種・企業規模・年代・男女別などの昇給平均額を見ていきましょう。

 

【業種別】中小企業の昇給平均額

 

一般社団法人 経済団体連合会が公開した「2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)」によると、製造業と非製造業における企業数・妥結額・アップ率は以下のとおりでした。

 

  社数 妥結額 アップ率
製造業平均 288社 11,010 4.09%
非製造業平均 147社 10,278 3.89%

 

<出典>:2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)(一般社団法人 経済団体連合会)

 

上記を見ると、先述の定期昇給と同様に、わずかではありますが製造業のほうが非製造業と比べてベースアップ率・妥結額が高いことがわかります。

 

製造業と非製造業における、2024年春闘の妥結額およびアップ率も紹介しましょう。

 

【製造業】

業種 妥結額(円) アップ率(%)
鉄鋼・非鉄金属 13,701 4.94
機械金属 11,841 4.40
電気機器 12,536 4.55
輸送用機器 10,689 4.03
化学 11,039 4.03
紙・パルプ 10,281 3.85
窯業 8,707 3.12
繊維 5,920 2.48
印刷・出版 7,049 2.34
食品 11,695 4.48
その他製造業 8,742 3.29

 

<出典>:2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)(一般社団法人 経済団体連合会)

 

【非製造業】

業種 妥結額(円) アップ率(%)
商業 11,425 4.32
金融 17,320 6.52
運輸・通信 7,622 2.98
土木・建設 13,329 4.61
ガス・電気 8,751 3.05
その他非製造業 9,616 3.75

 

<出典>:2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)(一般社団法人 経済団体連合会)

 

上記の業種別データを見ると、たとえば金融は6.52%もの高いアップ率ですから、「製造業はベアが高く、非製造業は低い」といった単純な話ではないことが見えてきます。

 

また、2023年と2024年を比較すると、すべての業種が前年と比べて高い妥結額になっているわけではなく、たとえば「繊維業」「印刷・出版業」「その他製造業」の3つは数字が悪くなっています。

 

【企業規模別】中小企業の昇給平均額

 

中小企業における企業規模別の昇給平均額は以下のとおりです。中小企業の場合、会社の規模が大きいほうが、昇給平均額もアップしやすい実情が見えてきます。

 

企業規模(中小企業) 妥結額(円) アップ率(%)
100人未満 9,188 3.59
100~300人未満 9,788 3.67
300~500人未満 11,974 4.43

 

<出典>:2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)(一般社団法人 経済団体連合会)

 

【年代別】昇給の平均額

 

続いてパーソルキャリアが運営するdodaが2025年6月23日に公開した「ホンネの転職白書」から、20代から50代の対象者・約5,000人の年代別昇給平均を見ていきましょう。

年代 昇給平均額
20代 15,274円
30代 14,650円
40代 14,778円
50代 14,354円

 

<出典>:ホンネの転職白書(doda(パーソルキャリア))

 

上記のデータで注目したいのが、いわゆる若手と呼ばれる20代だけ昇給平均額が突出している点です。これは、少子高齢化の加速による若い働き手の減少や、終身雇用の崩壊による転職の一般化や早期離職の増加と大きく関係する現象です。

 

企業としては組織を維持するために優秀な若手に定着してほしいという考えから、新卒社員の初任給引き上げや、成果主義に近い仕組みを導入することで、優秀な若手が高いモチベーションで成果を出し続けられる環境を整備するケースが増えているわけです。

 

長年企業を支えてきたベテラン社員からすれば不公平感の高い仕組みですが、自社のニーズに合う人材を獲得し、戦力として活躍してもらうためには、上記のようなトレンドを意識した昇給制度の設計も必要です。

 

【男女別】昇給の平均額

 

「ホンネの転職白書」では、男女別の昇給平均額も紹介しています。

 

性別 昇給平均額
男性 15,020円
女性 14,035円

 

<出典>:ホンネの転職白書(doda(パーソルキャリア))

 

男性と女性では、昇給平均額に1,000円近くの開きがある状態です。

 

一方で近年のビジネス環境では、女性活躍推進法や次世代育成支援対策推進法、男女共同参画社会基本法などで定められた施策を推進することが、優秀な女性人材の獲得および活躍につながる傾向が高まっています。

 

自社で優秀な女性の人材が活躍できる環境を整備するのであれば、昇給の仕方などについても着目し、男女の乖離が大きいようであれば再検討が必要でしょう。

 

なお、女性活躍推進法などの法律については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひチェックしてください。

 

【関連記事】女性活躍推進法の概要とは?改正のポイントと施行後の影響を解説

 

昇給制度における5つの種類

 

ここまで紹介したとおり、近年のビジネス環境では、終身雇用および年功序列制度の崩壊などの影響から、長く運用していた定期昇給制度から新たな仕組みへの見直しを検討する企業が多くなっています。

 

こうしたなかで、自社の実態に合った仕組みを設計・運用するうえでは、昇給制度そのものの種類を知っておくことも重要です。ここでは、一般的に使われている5つの制度を簡単に紹介しましょう。

 

(1)臨時昇給制度

 

臨時昇給とは、時期を決めずに臨時で行われる昇給の総称です。例年4月1日などの決まった時期に行われる定期昇給とは反対に位置づけられることが多いでしょう。

 

臨時昇給の多くは、以下のようなケースで実施されています。

 

 

  • 企業の業績が好調であるとき
  • 特定従業員に荷重負担が生じているとき
  • 特定従業員が著しく高い業績をあげたとき

 

 

一部従業員の臨時昇給をする際には、他の従業員に不満や不公平感を生じさせない配慮が必要です。

 

(2)自動昇給制度

 

自動昇給は、従業員個人の実績・成果とは関係なく、年齢や勤続年数を基準に全従業員の基本給を定期的に上げる仕組みです。自動昇給は、定期昇給の一種になります。

 

(3)考課昇給制度

 

従業員個人の業績・成果・評価を基準に実施される昇給です。査定昇給とも呼ばれます。年齢・勤続年数を基準とする自動昇給とは相反する仕組みといえるでしょう。

 

(4)普通昇給制度

 

普通昇給は、技術などの職務遂行能力が向上したときなどに、一般的な昇給条件で実施されるものです。個人のスキルアップや仕事の質が向上したケースでも、評価基準をクリアすることで、普通昇給が行われたりします。

 

(5)特別昇給制度

 

特別昇給は、会社に対する特別な貢献や実績が認められたときに例外的に行われるものです。たとえば「社運を賭けた重要プロジェクトで大きな成果をあげた」とか「発明した最新技術が海外で受賞した」といったケースで実施されるものでしょう。

 

定期昇給に関するよくある質問

 

最後に、定期昇給に関するよくある質問とその回答を見ていきましょう。

 

Q.定期昇給は必ず行うべきものですか?

 

定期昇給を必ず実施しなければならないかどうかは、就業規則の定めによります。たとえば、「業績や評価が一定基準に満たない従業員については昇給を行わない」とする場合でも、その方針と判断基準を就業規則に明記しておけば、原則として問題はありません。

 

ただし、賃金や昇給は、従業員のモチベーションや離職動機とも関係するものです。そこで不公平感や違和感などを生じさせないためには、誰が見ても納得できるわかりやすい文面で「昇給する条件」や「昇給しない条件」を明記する必要があるでしょう。

 

Q.昇給の基準はどのように決まるものですか?

 

昇給の基準は、企業が定める評価制度や賃金制度にもとづいて決まります。不公平感のない昇給制度を設計するためには、「賃金表」「昇給表」「賃金テーブル」などを作成し、基準を明確にしておくことが重要です。

 

たとえば、勤続年数と業績の2つを昇給要素とする場合、それぞれを段階的に区分したうえで賃金テーブルを作成すれば、評価結果に応じた昇給額を客観的に判断しやすくなります。

 

あらかじめこうした仕組みを整えておくことで、業績の変化に応じた基準の見直しもしやすくなり、従業員にとっても納得感のある昇給制度につながるでしょう。

 

人事労務のアウトソーシングならラクラスへ

 

本記事では、定期昇給の概要やメリット・デメリット、日本企業で使われることが多い昇給制度の種類を詳しく解説してきました。定期昇給の制度については多くの注意点があるため、人事部のなかでも運用するのに負担を感じている方も多いのではないでしょうか。

 

もし人事労務における業務効率化をお考えであれば、ラクラスにお任せください。ラクラスなら、クラウドとアウトソーシングを掛け合わせた『BpaaS』により、人事のノンコア業務をアウトソースすることができコア業務に集中できるようになります。

 

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