【2026年4月改正】通勤手当の非課税限度額とは?変更点・影響・注意点を解説
本記事では、通勤手当と税金の関係について確認したうえで、令和7年に改正となった通勤手当における新たな非課税限度額や、令和7年の年末調整で人事労務担当者が実施すべき対応を解説していきます。給与計算や通勤手当の管理業務を担当するために基礎知識を身につけたい方は、ぜひ参考にしてください。
監修者:飛悠税理士法人
2026年4月より、通勤手当における非課税制度が改正され、マイカー通勤者を中心に非課税限度額の見直しが行われました。今回の改正では、通勤距離に応じた非課税限度額の変更に加え、新たに駐車場代の一部も非課税対象となっており、人事・労務担当者には給与計算や通勤手当規程の見直しなどの対応が求められることになります。
また、通勤手当は「どこまでが非課税になるのか」「どのケースで課税対象になるのか」などがわかりにくく、実務上も判断に迷いやすいテーマの一つです。
そこで本記事では、まず通勤手当と税金の基本的な関係を整理したうえで、令和7年に改正された現行制度における非課税限度額、令和8年(2026年)4月に改正された変更点、人事・労務担当者が注意すべきポイントなどをわかりやすく解説していきます。
そもそも通勤手当は課税対象なのか
通勤手当(通勤交通費)が課税・非課税どちらになるのかは、ケースごとに異なります。
ここでは、通勤手当と税金の関係について詳しく見ていきます。
限度額を超えたら課税対象になる
役員や使用人に支給する手当は、原則として給与所得として課税対象になるとされているのですが、通勤手当などは例外として非課税限度額が設けられ、限度額以下であれば非課税とされています。
つまり、通勤手当が非課税限度額を超えた場合は、上限を超えた部分「だけ」が課税対象となります。この場合、上限を超過した分の金額は「給与所得」の扱いとなるため、所得税および復興特別所得税が課税されることになります。
国税庁のホームページでは、会社が支給する給与のなかで非課税になる例外として、通勤手当を含めた以下の3つをあげています。
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非課税限度額内であれば非課税になる
通勤手当に関する税金の原則は、「一定の限度額内であれば非課税になる」というものです。ただし、非課税限度額の中身は、通勤方法ごとに異なります。具体的には、以下3つのいずれかで考えていくことになりますが、詳しいポイントについては、のちほど解説します。
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現行の通勤手当における非課税限度額
(令和7年改正後)
令和7年11月19日に所得税法施行令の一部を改正する政令が公布されたことで、給与所得者における通勤手当のうち一部の非課税限度額が引き上げられました。この章では、その際の具体的な改正ポイントを見ていきます。
通勤手当の非課税限度額が改正された区分
まず、通勤手当の非課税限度額には、以下の4区分があります。
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① 交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当 ② 自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当 ③ 交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券 ④ 交通機関又は有料道路を利用するほか、
<出典>:通勤方法の非課税限度額の引上げについて<PDF>(国税庁)
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このうち令和7年の改正対象は、「②自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当」です。具体的には、いわゆるマイカー・バイク・自転車で通勤している人が対象でしょう。
一方、①③④については、従来と同じ非課税限度額になります。
令和7年改正後の通勤手当における非課税限度額
令和7年の改正対象は、「②自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当」のうち、以下の一覧で示す6つの距離区分です。
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① 通勤距離が片道 55km 以上である場合 ② 通勤距離が片道 45km 以上55km 未満である場合 ③ 通勤距離が片道 35km 以上45km 未満である場合 ④ 通勤距離が片道 25km 以上35km 未満である場合 ⑤ 通勤距離が片道 15km 以上25km 未満である場合 ⑥ 通勤距離が片道 10km 以上15km 未満である場合
<出典>:通勤方法の非課税限度額の引上げについて<PDF>(国税庁)
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一方で以下の2つの距離区分については、従来と同じです。
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① 通勤距離が片道2km 以上10km 未満である場合 ② 通勤距離が片道2km 未満である場合
<出典>:通勤方法の非課税限度額の引上げについて<PDF>(国税庁)
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従来からある非課税限度額の表に今回の改正内容を入れ込むと、以下のとおりになります。黄色いハイライト部分が、令和7年の改正による非課税限度額の変更点です。
| 区分 | 非課税限度額(課税されない金額) | ||
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改正後 |
改正前 | ||
| ①交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当 | 1か月当たりの合理的な運賃等の額 (最高限度 150,000 円) |
同左 | |
| ②自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当 | 通勤距離が片道 55km 以上である場合 | 38,700 円 | 31,600 円 |
| 通勤距離が片道 45km 以上55km 未満である場合 | 32,300 円 | 28,000 円 | |
| 通勤距離が片道 35km 以上45km 未満である場合 | 25,900 円 | 24,400 円 | |
| 通勤距離が片道 25km 以上35km 未満である場合 | 19,700 円 | 18,700 円 | |
| 通勤距離が片道 15km 以上25km 未満である場合 | 13,500 円 | 12,900 円 | |
| 通勤距離が片道 10km 以上15km 未満である場合 | 7,300 円 | 7,100 円 | |
| 通勤距離が片道2km 以上10km 未満である場合 | 4,200 円 | 同左 | |
| 通勤距離が片道2km 未満である場合 | (全額課税) | 同左 | |
| ③交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券 |
1か月当たりの合理的な運賃等の額 |
同左 | |
| ④交通機関又は有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券 |
1か月当たりの合理的な運賃等の額と②の金額との |
同左 | |
<引用>:通勤方法の非課税限度額の引上げについて<PDF>(国税庁)
通勤手当における新たな非課税限度額の
適用タイミング
令和7年に改正された非課税限度額は、「令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当」に対して適用されます。ただし、以下の3つの通勤手当については、改正後の非課税限度額が適用されませんので注意しましょう。
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(1)令和7年3月 31 日以前に支払われた通勤手当 (2)令和7年3月 31 日以前に支払われるべき通勤手当で (3)(1)又は(2)通勤手当の差額として追加支給されるもの
<引用>:通勤方法の非課税限度額の引上げについて<PDF>(国税庁)
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通勤手当の非課税限度額が引き上げられた背景
令和7年の改正で通勤手当の非課税限度額が引き上げられた背景には、近年におけるガソリン価格の高騰の影響があります。また、最近は物価そのものが高騰しているため、マイカーや自転車の購入価格やメンテナンス費用なども高騰していることが多いでしょう。
こうしたなかでマイカー通勤者の実質的な負担を軽減するといった目的から、自動車もしくは自転車で10km以上の長距離通勤を行う区分に関して非課税限度額が引き上げられることになりました。
令和8年度(2026年4月)の通勤手当改正では何が変わった?
2026年4月より、通勤手当に関する非課税制度がさらに改正され、マイカー通勤者を中心に非課税の範囲が拡大されました。今回の改正では、従来の通勤距離に応じた非課税限度額の見直しに加え、新たに駐車場代の一部も非課税対象となりました。
その背景には、ガソリン価格や物価の高騰、地方エリアにおけるマイカー通勤者の負担増加などがあります。
人事・労務担当者は、給与計算や通勤手当規程の見直しだけでなく、従業員への周知やシステム設定の変更も必要になる可能性があるため、制度内容を正しく理解しておくことが重要です。ここでは、2026年4月改正の主な変更点を整理して解説します。
駐車場代が新たに非課税対象へ
2026年4月の改正では、マイカー通勤者が負担する駐車場代について、新たに一定額まで非課税対象に加えられました。
従来、通勤手当における非課税対象は、主に以下の費用でした。
- 電車・バスなどの公共交通機関の運賃
- マイカー・バイク通勤者への通勤手当
- 有料道路料金
一方で、勤務先周辺の月極駐車場代などについては、原則として非課税対象には含まれていませんでした。
しかし近年では、都市部を中心に駐車場料金の高騰が続いていることや、地方エリアでもマイカー通勤が生活インフラとして不可欠である実態を踏まえ、駐車場代も一定範囲で非課税とする方向へ制度が見直されることになりました。
非課税となる駐車場代の上限は「月額5,000円」です。
企業側としては、「駐車場代を会社が直接契約しているのか」「従業員が個別契約しているのか」「実費精算なのか定額支給なのか」などによって運用方法が変わる可能性があるため、あらかじめ整理しておくことが重要です。
マイカー通勤者の非課税限度額の変更
2026年4月改正では、マイカー・バイク・自転車などを利用する従業員に対する非課税限度額についても見直しが行われました。
近年はガソリン価格の高騰が続いており、特に地方部では長距離のマイカー通勤を行う従業員の負担が大きな課題となっていました。こうした背景を受け、長距離通勤者を中心に非課税限度額が引き上げられる方向で制度改正が進められていったわけです。
また、従来は「片道55km以上」が最長区分でしたが、今回はさらに長距離の区分が新設されました。
令和7年度改正後の非課税限度額の表に今回の令和8年度(2026年4月)の改正内容を入れ込むと、以下のとおりになります。黄色いハイライト部分が、令和8年の改正による非課税限度額の変更点です。
| 区分 | 非課税限度額(課税されない金額) | ||
| 改正後(令和8年4月 1日以降に適用) |
改正前 | ||
| ①交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当 | 1か月当たりの合理的な運賃等の額(最高限度 150,000 円) | 同左 | |
| ②自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当 | 通勤距離が片道 95km 以上である場合 | 66,400 円 | 38,700 円 |
| 通勤距離が片道 85km 以上95km 未満である場合 | 59,600円 | ||
| 通勤距離が片道 75km 以上85km 未満である場合 | 52,700円 | ||
| 通勤距離が片道 65km 以上75km 未満である場合 | 45,700円 | ||
| 通勤距離が片道 55km 以上65km 未満である場合 | 38,700円 | ||
| 通勤距離が片道 45km 以上55km 未満である場合 | 32,300 円 | 同左 | |
| 勤距離が片道 35km 以上45km 未満である場合 | 25,900 円 | 同左 | |
| 通勤距離が片道 25km 以上35km 未満である場合 | 19,700 円 | 同左 | |
| 通勤距離が片道 15km 以上25km 未満である場合 | 13,500 円 | 同左 | |
| 通勤距離が片道 10km 以上15km 未満である場合 | 7,300 円 | 同左 | |
| 通勤距離が片道2km 以上10km 未満である場合 | 4,200 円 | 同左 | |
| 通勤距離が片道2km 未満である場合 | (全額課税) | 同左 | |
| ③自動車や自転車などの交通用具を使用している人で一定の要件を満たす駐車場等を利用している人(通勤距離が片道2km未満である人を除きます。)に支給する通勤手当 | ②の金額と1か月当たりの駐車場等の料金相当額(上限5,000円)との合計額 | ― | |
| ④交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券 | 1か月当たりの合理的な運賃等の額(最高限度 150,000 円) | 同左 | |
| ⑤交通機関又は有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券 | 1か月当たりの合理的な運賃等の額と②の金額との合計額(最高限度 150,000 円) | 同左 | |
| ⑥交通機関又は有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人で一定の要件を満たす駐車場等を利用している人(その交通用具を使用する通勤距離が片道2km未満である人を除きます。)に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券 | 1か月当たりの合理的な運賃等の額と②の金額と1か月当たりの駐車場等の料金相当額(上限5,000円)との合計額(最高限度 150,000円) | ― | |
「一定の要件を満たす駐車場等」とは、通勤のために使用する交通用具の駐車のための施設のうち、その通勤手当の支払を受ける人の勤務する場所の周辺又はその人が通勤のために利用する交通機関の駅若しくは停留所その他の施設の周辺にあるものをいいます。
以上を踏まえると、人事・労務担当者としては以下のような対応が必要になる可能性があります。
- 通勤手当規程の見直し
- 給与計算システムの設定変更
- 通勤距離データの再確認
- ガソリン代単価の見直し
特に、現在「一律支給」に近い運用を行っている企業では、制度変更との整合性を確認しておくことが重要でしょう。
適用開始時期と対象範囲
2026年4月改正の内容は、原則として「2026年4月1日以後に支払われる通勤手当」から適用されます。そのため、2026年3月以前に支払われた通勤手当については、従来の非課税ルールが適用されることになります。
また今回の改正は、主に以下のような従業員が対象になると考えられます。
- マイカー通勤者
- バイク通勤者
- 自転車通勤者
- 駐車場代を自己負担している従業員
一方で、電車・バスなど公共交通機関のみを利用している従業員については、現時点では大きな変更は予定されていません。
通勤手当の実務を適切に行うために
注意すべきこと
通勤手当の算出や精算は、ここまで紹介した非課税限度額の考え方だけに着目しても、非常に複雑な手続きです。また、通勤距離および方法は多種多様であるため、新任の担当者などは、通勤手当の申請受付や管理をするなかで頭を悩ませることも多いかもしれません。
ここでは、人事労務担当者が従業員の通勤手段および距離を適切に管理し、通勤手当の効率的な算出を行ううえで大切なポイントを3つ挙げて解説していきます。
ポイント(1)通勤手当の支給要件を明確に設定する
通勤手当の支給決定および算出を適切に行うためには、就業規則のなかで通勤手当の支給要件を明確に定めることが大切です。具体的な書き方やルールは企業が独自に定められますが、従業員との間に認識のズレが起こることを防ぐうえでは、以下のように具体的な内容にするのが理想でしょう。
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【通勤手当における支給要件の一例】 通勤手当を支給する従業員の要件は、以下のとおりである。
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また、たとえば遠方からのマイカーおよびバイク通勤を認める場合も、「高速道路の使用を認めるのか?」や「認めた場合の高速代はどうするのか?(使用日だけにするのか?1ヵ月分すべて支給するのか?)」などの要件設定が必要です。
通勤手当における支給要件を決める際には、通勤時の時間的負担なども踏まえたうえで、さまざまなケースに対応できる仕組みを考える必要があるでしょう。
ポイント(2) 合理的な通勤距離・方法・金額かどうかを必ず確認する
通勤手当に関するさまざまな事務手続きは、実のところ、労働災害保険法にもとづく“通勤災害”とも大きく関係するものです。通勤災害とは、労働者が通勤中に被った負傷、疾病、障害、死亡を指します。
具体的な要件は割愛しますが、たとえばある従業員が「30km離れた自宅からマイカー通勤をしていたところ、追突事故に遭って大怪我をした」となれば、通勤災害に当てはまり給付対象になる可能性が高いかもしれません。
ただしそれは、その従業員が「自宅と就業場所を合理的な経路および方法で移動していた場合」に限ります。そこで仮に「仕事帰りに友達の家に泊まりに行き、そこから会社に来るなかで交通事故に遭った。友達の家と自宅は会社から見て逆方向だった」となれば、それは「合理的な経路」から外れることは明らかですから、通勤災害の要件に該当しない可能性が高いでしょう。
会社が通勤手当を支払ううえでは、距離・定期代・ガソリン代などを適切に計算するために、各従業員から通勤ルートおよび通勤方法などの情報を詳しく教えてもらう必要があります。
また、万が一の通勤災害に備えるためには、その通勤経路が労働災害保険のルールに基づくものでなければなりません。
さらに、こうした情報を収集する際には、労働災害保険上の「合理的な経路および方法」であることに加え、自社の通勤手当規程を満たしているかどうかも確認する必要があります。
たとえば60km離れた自宅からマイカー通勤する従業員がいた場合には、「高速道路の使用を許可して身体の負担を軽減する」といった配慮も必要になる可能性があるわけです。
通勤手当および労働災害保険における通勤災害の考え方は、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【関連記事】通勤手当とは? 課税・非課税ルールや計算方法、働き方の多様化による会社側の対応を解説
ポイント(3) 通勤手当に関するITツールを活用する
通勤手当は、各従業員の居住地や各自が使う乗り物などが異なることから、算出根拠となる情報の管理も複雑になりがちです。また、先述のとおり通勤災害の給付要件もチェックする必要があるため、慎重な作業が求められることになるでしょう。
さらにいえば、本記事のテーマである非課税限度額のような改正が入れば、月々の給与計算の変更や年末調整の作業負担も増える可能性があります。
こうしたなかで通勤手当の算出やその根拠となる情報の管理を適切に行うためには、便利なITツールを使うのも一つの策です。たとえば、通勤費管理システムといったものが該当する製品・サービスになります。なかには、人事労務管理システムや給与計算システム内の機能として、通勤手当の申請・計算・管理を行える種類もあるようです。
具体的な機能はサービスごとに異なりますが、たとえば従業員の提出情報をもとに自動で手当を算出できれば、人事労務担当者の負担はかなり軽減できるはずです。また、クラウド型のサービスを使うと、今回のような法改正対応もスムーズになる可能性が高いでしょう。
通勤手当における非課税限度額に関するQ&A
今回の通勤手当における非課税限度額の改正は、令和7年・8年と連続して行われましたが、それ以前では11年ぶり(以前は平成26年)に生じたことなので実務で取り扱う機会は少ないですが、年の中途で実施されていることもあり、人事労務担当者を悩ませることの多い手続きです。
ここでは、通勤手当の非課税限度額の改正における「よくある質問」とその回答を紹介しましょう。
Q. 駐車場代は全額非課税ですか?
2026年4月の制度改正では、マイカー通勤者や自転車通勤者が負担する駐車場代について、新たに一定額まで非課税対象に加えられました。ただし、すべての駐車場代が無制限に非課税になるわけではありません。
非課税となる駐車場代の上限は「月額5,000円」とされており、上限を超えた部分については課税対象となります。
また、対象となる条件や証憑管理の方法などについても確認する必要があります。人事・労務担当者は、駐車場代の支給ルールや運用方法を事前に整理しておくとよいでしょう。
Q. 自転車通勤でも対象ですか?
はい。通勤手当における非課税限度額は、自動車だけでなく、自転車やバイクなどの交通用具を使用して通勤する場合にも適用されます。そのため、自転車通勤者に対して会社が通勤手当を支給している場合も、一定の非課税限度額の範囲内であれば課税対象にはなりません。
ただし、具体的な非課税限度額は通勤距離によって異なります。また、通勤距離が片道2km未満の場合は非課税対象にならないため注意が必要です。
Q. ガソリン代の高騰はどこまで考慮されますか?
前述したとおり、今回の制度改正の背景には近年のガソリン価格高騰があります。特に地方部では、マイカー通勤が生活インフラとして定着しており、長距離通勤者の負担増加が課題となっていました。こうした事情を踏まえ、マイカー通勤者向けの非課税限度額が引き上げられました。
ただし、非課税限度額はあくまで税務上の基準であり、実際に企業が支給する通勤手当額そのものを定めるものではありません。そのため、ガソリン価格の変動に応じて支給額をどこまで見直すかについては、各企業が独自に判断する必要があります。
Q. 通勤手当の非課税限度額を超えた分はどう課税されるのでしょうか?
通勤手当が非課税限度額を超えた場合、超過した部分のみが給与所得として課税対象になります。たとえば、非課税限度額が月20,000円の従業員に対して、会社が月25,000円の通勤手当を支給している場合、超過した5,000円のみが課税対象となります。
この課税対象額は、通常の給与と同様に所得税および住民税の計算対象となり、源泉徴収の対象にもなります。
Q. リモートワーク中心でも通勤手当は非課税になりますか?
リモートワーク中心の働き方であっても、実際に通勤が発生しており、会社が合理的な範囲で通勤手当を支給している場合には、一定額まで非課税になる可能性があります。ただし、“完全在宅勤務”で実質的に通勤が発生していない場合や、通勤実態と支給内容が大きく乖離している場合には、課税対象と判断される可能性もあります。
近年は、出社日数に応じて実費精算を行う企業も増えているため、ハイブリッド勤務に対応した通勤手当ルールの整備が重要になっています。
Q. 役員やアルバイト・パートも通勤手当は対象ですか?
はい。通勤手当の非課税制度は、正社員だけでなく、役員やアルバイト・パートなどに対して支給する通勤手当にも適用されます。ただし、非課税となるためには、通勤の実態があり、なおかつ合理的な通勤経路・方法にもとづく支給であることが必要です。
また、雇用形態にかかわらず、非課税限度額を超えた部分については給与所得として課税対象になります。そのため、人事・労務担当者は、雇用区分ごとに運用を変えるのではなく、全従業員に対して統一的かつ合理的なルールを整備しておくことが重要でしょう。
人事労務のアウトソーシングならラクラスへ
本記事では、通勤手当と税金の関係について確認したうえで、令和7年と令和8年に改正となった通勤手当における新たな非課税限度額や、人事労務担当者が実施すべき対応を解説してきました。通勤手当の非課税限度額については多くの注意点があるため、人事部のなかでも負担に感じている方は多いのではないでしょうか。
もし人事業務における業務効率化をお考えであれば、ラクラスにお任せください。ラクラスなら、クラウドとアウトソーシングを掛け合わせた『BpaaS』により、人事のノンコア業務をアウトソースすることができコア業務に集中できるようになります。
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この記事の監修者:飛悠税理士法人
私たち飛悠税理士法人は、お客様に対し税務会計の専門家としての立場でサービスを提供することはもちろんですが、その前に人間同士の信頼関係、人としての筋道を大切にすることをモットーにしています。
そのためにお客様のお考えをよく聞き、私達の考えをきちんとお伝えする事ことによってお互いの信頼関係を築いていくことが大切だと思っています。
