給与デジタル払いとは?制度の仕組みから導入手順、注意点までわかりやすく解説
本記事では、給与デジタル払いの概要や基本的な仕組み、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。また、給与デジタル払いを導入するうえで求められる準備のポイントや、適切な手続きを行わなかった場合のペナルティについても解説していきます。給与デジタル払いの導入に向けて準備されている方は、ぜひ参考にしてください。
給与デジタル払い(賃金デジタル払い)は、日本のキャッシュレス決済が急速に普及するなかで新たに制度化されたものです。
企業が給与デジタル払いを導入する際には、賃金の支払いそのものに関する原則的な法律を理解したうえで、厚生労働省が示す流れに沿って適切な制度導入・運用を行う必要があります。
そこで本記事では、給与デジタル払いの概要や基本的な仕組み、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。記事の後半では、給与デジタル払いを導入するうえで求められる準備のポイントや、適切な手続きを行わなかった場合のペナルティについても解説していきます。
給与デジタル払いの導入に向けて情報収集されている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
給与デジタル払いの基本概念
給与デジタル払いを適切に導入・運用していくためには、給与デジタル払いの背景にある法律や定義、基本的な仕組みなどを理解することが大切です。この章では、給与デジタル払いの基本概念について詳しく見ていきます。
給与デジタル払いとは何か
給与デジタル払いとは、わかりやすくいえば従業員に支払う給与について、従来の現金払いや銀行振込ではなく、キャッシュレス決済サービスのうち一定の要件を満たした指定資金移動業者の口座に給与を支払える仕組みです。「賃金のデジタル払い」とも呼ばれるこの制度について、厚生労働省では以下のように解説しています。
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使用者が、労働者の同意を得た場合に、一定の要件を満たすものとして
<引用>:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について(厚生労働省)
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給与デジタル払いが始まった背景
給与デジタル払いが始まった背景には、日本政府が力を入れる“キャッシュレス決済の普及促進”が大きく影響しています。政府が策定した「キャッシュレス・ビジョン」では、日本のキャッシュレス決済比率を2025年までに40%、将来的には80%まで引き上げる目標を掲げています。
また近年の日本には、国がキャッシュレス推進を行ううえで以下のような多くの“追い風”が生じています。
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その一方で、日本ではいまだ現金に対する高い信頼があります。また、ATMの利便性が高く現金の入手が容易であるなどの理由から、現金払いや銀行振込といった従来の手段でも労働者側に大きな不便が生じにくい状況がありました。
一方で、給与デジタル払いの制度化に関する調査では、労働者のうち「良いと思う」が14.6%、「どちらかと言えば良いと思う」が36.3%となっており、デジタル払いに対して前向きな印象を持つ層が一定数いることがわかります。
また、「賃金のデジタル払いの制度化を良いと思う理由」を尋ねた調査では、以下のようにポジティブな意見が高い割合で出てきたようです。
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新型コロナウイルス感染症の流行期には、店舗などで人との接触機会を減らす重要性が広く意識されました。こうしたなか、日本人が適度な距離感のなかで現金手渡しを行わなくて済む支払い文化が普及し労働者への給与支給にもデジタル払いが加わることは、自然な流れといえるかもしれません。
<参考>:キャッシュレス・ビジョン≪要約版≫(経済産業省 商務・サービスグループ 消費・流通政策課)
<参考>:令和6年度賃金のデジタル払いに関するニーズ調査 調査報告書(株式会社サーベイリサーチセンター)
給与デジタル払い制度の基本的な仕組み
給与デジタル払いは、どのような電子マネーでも選択できるものではありません。法律に則り適切な賃金支払いを行うためには、国が定める給与デジタル払いのルールや考え方を理解する必要があります。背景にある法律を含め、ポイントを見ていきましょう。
・「賃金支払い5原則」と「給与デジタル払い」の関係
給与デジタル払いの前提知識としておさえておきたいのが、「賃金支払いの5原則」です。労働基準法第24条では、労働者に対する賃金支払いについて以下の5原則を義務付けています。
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① 通貨で支払わなければならない
<出典>:Q.賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい。(厚生労働省)
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現代のビジネス環境では、給与の銀行振込が一般的に行われています。もっとも、賃金支払いの原則はあくまで「通貨で直接労働者に支払う」ことです。そのため、銀行口座への振込や給与デジタル払いのように例外的な方法を採用する場合は、法令上の要件や労働者本人の同意など、必要な手続きを踏む必要があります。
<参考>:Ⅲ賃金支払いの5原則(愛知県雇用労働相談センター)
- 給与デジタル払いで選択できる電子マネーの種類
給与デジタル払いの正式名称は「賃金移動業者の口座への賃金支払」です。つまり、会社が給与デジタル払いを行うときに選択できる口座は、正式名称にも記載されている「厚生労働大臣の指定を受けた賃金移動業者のもの」に限ります。
2026年3月11日時点で指定を受けているのは、以下の4社です。
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<引用>:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について
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また、厚生労働省のホームページでは、「申請指定があった移動業者数」と「審査中の資金移動業者数」も公開しています。
なお、現金化できないポイントや暗号資産での賃金支払いは制度上認められていません。2026年3月11日時点で使用者が給与デジタル払いを選択する場合、選べる電子マネーの種類は上記の4社によって運営されているものだけとなるでしょう。
- 給与デジタル払いの強制・強要
給与デジタル払いは、従業員が同意をした場合にのみ選択される支払い方法です。仮に従業員が同意をしなければ、賃金支払いの5原則にもとづく従来の方法で支払いを行うことになります。
つまり、導入した事業場で働くすべての従業員に一律適用する必要はありません。もし会社が給与デジタル払いを強制・強要した場合、労働基準法による罰則対象になるということです。
また、給与デジタル払いの制度では、以下のような運用も可能です。
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- デジタル払いされる給与(賃金)の注意点
給与のデジタル払いは、先述のとおり国がキャッシュレス決済を推進する目的から導入された制度です。そのため、デジタル払いされる電子マネーについても、「預金」ではなく「生活費の支払い・送金」を行ってもらう目的から、以下の制限が設けられています。
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【口座の上限額は100万円以下】 デジタル払いの口座の上限額は、100万円以下に設定される。
【口座残高の払い戻し期間は少なくとも10年間】 デジタル払いされた口座残高は、ATMなどで現金化できる。
<参考>:労働者・雇用主の皆さまへ|賃金のデジタル払いが可能になります!<PDF>(厚生労働省)
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給与デジタル払いのメリット
給与デジタル払いを導入した企業は、労使の双方にさまざまなメリットを実感しています。この章では、企業と従業員それぞれに生じる一般的なメリットを見ていきましょう。
給与デジタル払いを導入する「企業側」のメリット
給与デジタル払いの導入企業が実感しやすいメリットは、以下の3つです。
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① 従業員満足度が向上する
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①の従業員満足度と②の採用活動の魅力づけは、従業員の定着・確保に関する効果といえます。特に近年の若い世代の間では、電子マネー中心の生活をしていて、そもそも現金を入れる財布を持たない層も多くなっています。
そこで企業が給与デジタル払いを導入すると、電子マネーにチャージする手間が省けるなどの理由から従業員満足度が上がったり、福利厚生の部分から採用活動でのアピールがしやすくなったりするでしょう。
そうして従業員満足度が向上して労働者の定着率がアップすると、離職者対応や新たな人材獲得の手間・コストも改善できるはずです。
また、資金移動業者の口座送金にかかる手数料は、銀行振り込みの手数料と比べて安い傾向もあるようです。そのため、場合によっては給与支払いにかかる大幅なコストカットが実現するでしょう。
なお、従業員満足度(ES)を高めることの重要性については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【関連記事】従業員満足度(ES)と従業員エンゲージメントの違いとは?高めるメリットや方法も解説
給与デジタル払いを選択する「従業員側」の
メリット
従業員が給与デジタル払いを選択すると、以下のメリットを実感することが多いです。
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① 電子マネー使用時の利便性が向上する
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従業員側における最大のメリットは、現金からチャージの手間が省けたり、振り込まれた給与を銀行ATMから引き出す際の手数料支払いがなくなったりすることです。
そのため、キャッシュレス決済中心の生活をする人にとっては、これまで感じていた不便さや手数料の問題が解消しやすいものでしょう。
また、給与デジタル払いは、柔軟性の高い仕組みです。
たとえば、「給与デジタル払いとはどんなものだろう?」と関心を持つ従業員がいた場合に、銀行振込との併用なども可能であることを案内すれば「給与3割を電子マネー、残り7割を銀行振込」とお試し感覚で制度利用にチャレンジすることもできるでしょう。
給与デジタル払いのデメリット
給与デジタル払いにも、導入・運用で注意すべき点がいくつかあります。これから新たにこの仕組みを導入する場合、先述のメリットだけでなくデメリットも理解したうえで、「自社にとって本当に必要な仕組みかどうか?」を検討することが重要です。企業側と従業員側における一般的なデメリットを見ていきましょう。
給与デジタル払いを導入する「企業側」の
デメリット
給与デジタル払いの導入企業が注意すべき点は、以下の2つです。
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① 導入準備に多くの手間やコストがかかる
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まず、給与デジタル払いの制度を導入する場合、給与振込のフローを見直すとか、従業員の同意をとるといった準備が必要になります。
また、多くの従業員が「銀行振込と電子マネー払いの併用」を選択した場合、給与担当者には従来の「銀行振込をするための仕事」に加えて「電子マネー払いの仕事」が新たに発生するでしょう。
さらに、給与デジタル払いは、すべての従業員に同じ仕組みを適用するわけではありません。「全額を電子マネー払い」や「銀行振込と電子マネーを半分ずつ」といった形で自由な選択ができますし、ライフスタイルなどが変わればその割合等を変更できます。
これらの特徴は、人事給与担当者に「多様な支払いパターンへの対応が求められる」とか「従業員都合による変更にも対応しなければならない」といった新たな仕事や負担をもたらす可能性が高いでしょう。
給与デジタル払いを選択する「従業員側」の
デメリット
給与デジタル払いを選んだ従業員には、以下のデメリットが生じる可能性があります。
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① デジタル給与口座には上限額がある
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給与デジタル払いの法制度では、資金移動業者に多くのお金を滞留させない目的から、デジタル給与口座の上限額を100万円としています。もし口座残高が100万円を超えた場合には、超過分が指定の銀行口座に自動で振り込まれることになります。そのため、電子マネーの口座内で100万円以上のお金を貯めることはできません。
また、デジタル払いされた電子マネーを管理するPCやスマートフォンなどの管理やセキュリティ対策は、従業員が個人で行うものです。仮にロックがかかっていないスマートフォンを紛失して大事な電子マネーを不正使用されてしまった場合、その対処も従業員が自分で行う必要があるのです。
給与デジタル払いにおける基本的な
導入ステップ
給与デジタル払いを導入する際には、先述のとおり「労使協定の締結」や「従業員の同意取得」といった手続きが必要です。このことから、厚生労働省では給与デジタル払いを導入する企業向けに基本的な手続きの流れを紹介しています。
<参考>:雇用主向け|賃金のデジタル払いを導入するにあたって必要な手続き<PDF>(厚生労働省)
この章では、企業が給与デジタル払いを導入するうえで実施すべき7つのステップと、そのポイントについて解説していきます。
ステップ(1)資金移動業者の確認とサービスの検討
企業がまず最初に行うべき作業は、厚生労働省のホームページで資金移動業者の一覧を確認したうえで、自社に導入する事業者のサービスを選定することです。
指定資金移動業者の一覧および審査状況は、以下のページで確認できます。
<参考>:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について(厚生労働省)
サービス選定時には、労働者のニーズも踏まえる必要があります。基本的には、厚生労働省が示す以下のポイントについて比較検討していくとよいでしょう。
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<引用>:雇用主向け|賃金のデジタル払いを導入するにあたっての必要な手続き(厚生労働省)
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ステップ(2)労使協定の締結
給与デジタル払いを導入する際には、事前の労使協定が必要です。労使協定とは、使用者と労働者代表の間で取り交わす書面契約になります。制度によっては、労使協定を締結することで法令上認められる運用が可能になる場合がありますが、36協定はその代表例の一つといえます。
労使協定における労働者代表は、以下のいずれかになります。
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① 労働者の過半数で組織されている労働組合がある場合は、その代表
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会社から指名された従業員や管理監督者などは、②になることができませんので注意が必要です。また、給与デジタル払いを導入するために締結する労使協定には、以下の内容を記載する必要があります。
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① 対象となる労働者の範囲
<引用>:雇用主向け|賃金のデジタル払いを導入するにあたっての必要な手続き<PDF>(厚生労働省)
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上記の内容について労使間で合意が得られたら、協定内容を文書化して社内で適切に保管します。なお、必要に応じて就業規則の変更・届出など、関連する法定手続きも進めましょう。
労使協定の手続きの流れについては、36協定を解説した以下の記事でも触れています。労使協定の流れを知りたい方は、ぜひ確認してください。
【関連記事】36協定の提出方法は?電子申請の流れや必要書類、締結時の注意点を解説
ステップ(3)就業規則の改定
給与デジタル払いを導入する場合は、賃金の支払方法に関するルールの変更にあたるため、就業規則の見直しが必要になるケースが一般的です。自社の規定内容を確認したうえで、必要な改定を行いましょう。
就業規則の改定手続きでも、労使協定のところで触れた「労働者代表からの意見聴取」が必要となります。そのため、給与デジタル払いの新制度を導入する場合、労使協定および就業規則の変更に向けた新しい条文および協定すべき内容を資料にまとめたうえで、その内容について労働者代表と話をする形になるでしょう。
就業規則の改定後は、所轄の労働基準監督署への届出と従業員への周知が必要です。新たに導入する給与デジタル払いの制度は、その存在がすべての従業員に知られてはじめて効力が生じるものとなります。
ステップ(4)給与デジタル払いを希望する
労働者への説明
給与デジタル払いを希望する従業員に対しては、必要事項を説明する必要があります。ここでポイントになるのが、以下の4つです。
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(1)労働者への説明は、雇用主から指定資金移動業者に委託できる (2)説明時は、賃金支払方法に関する他の選択肢もあわせて案内する (3)会社で取り扱う金融機関や指定資金移動業者は特定の1つに (4)給与デジタル払いの実質的な強制はできない
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また、給与デジタル払いの説明を指定資金移動業者に委託した場合は、2つの注意点があります。
1つ目は、委託された業者が労働者への説明を適切に行わなかった場合、それは雇用主が労働基準法に違反したと判断されてしまう点です。そして2つ目は、指定資金移動業者以外への説明委託はできない点となります。注意しましょう。
ステップ(5)個別労働者からの同意取得
給与デジタル払いを希望する従業員からは、個別の同意を得る必要があります。もし制度の説明を指定資金移動業者に委託した場合でも、同意をとる手続きは会社が自ら行わなければなりません。
このステップで使用する“同意書”については、厚生労働省の以下のページでサンプルが公開されています。なお、個別の同意は、紙の書面ではなく電磁的記録でとることも可能です。
<参考>:(参考例)資金移動業者口座への賃金支払に関する同意書<PDF>(厚生労働省)
この手続きにおいては、給与デジタル払いの事務手続きに必要となる以下のような情報の収集も行います。
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ただし、これらの情報は指定資金移動業者ごとに異なる可能性があります。各事業者が収集を求める情報を取得するようにしてください。
ステップ(6)給与デジタル払いに対応した
システムの選定・導入・テスト
給与デジタル払いを導入する場合、指定資金移動業者への振込に対応する仕組みも必要です。その仕組みとは、いわゆる給与計算システムと呼ばれるものになります。
そこで既存の給与計算システムの活用や新規導入をする場合、1つ注意点があります。それは、指定資金移動業者と給与計算システムには相性がある点です。そのため、すでに給与計算システムを使う企業が新たに給与デジタル払いを始める場合、自社のシステムについて以下の確認が必要となります。
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① 社内ニーズが高いのは、どの指定資金移動業者か?
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③については、「給与計算システムを変えるか?」と「指定資金移動業者をほかの企業にするか?」の二択が中心となるでしょう。
給与計算システムの適切な選び方については、以下の記事でも詳しく解説しています。給与デジタル払いの導入にともないシステムの入れ替えを検討する方は、ぜひ参考にしてください。
【関連記事】給与計算システムとは? 導入メリットや選び方、費用対効果を高めるポイントを解説
ステップ(7)給与計算フロー・運用ルールの確定
新制度を導入すると、人事給与担当者は、これまでの支払い方法に加えて「給与デジタル払い」の事務手続きを行う必要がでてきます。具体的には、指定資金移動業者に対するデータの作成・共有や、従業員から支払い方法変更の申し出があったときの説明・同意取得などが新たに発生するでしょう。
こうした各種事務手続きは、指定資金移動業者が示す日程やルールの影響を受けます。そこで給与デジタル払いの新制度を導入する場合、先述の労使協定や就業規則の手続きと並行して、導入後の給与計算スケジュールや変更申請の受け付けルールなども検討する必要があるでしょう。
給与計算の基本的な流れや月次業務のスケジュールなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
【関連記事】給与計算業務を徹底解説! 業務の全体像と効率化のポイントを詳しく紹介
給与デジタル払いと法令違反
ここまで紹介した事前準備は、企業が労働基準法を遵守するうえで必ず行うべきものです。給与デジタル払いを導入するにあたって、以下のような運用については労働基準法違反に該当します。
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① 給与デジタル払いを強制した
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このような運用があった場合、是正指導や勧告の対象となるほか、違反の内容によっては罰則が科せられる可能性もありますので注意が必要です。
人事労務のアウトソーシングならラクラスへ
本記事では、給与デジタル払いの概要や基本的な仕組み、メリット・デメリットなどを詳しく解説してきました。給与デジタル払いの対応多くの注意点があるため、人事部のなかでも運用するのに負担を感じている方も多いのではないでしょうか。
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