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現物支給(現物給与)とは?具体的な例と課税・非課税の違いを徹底解説

最終更新日
おもちゃのお金と電卓

本記事では、現物支給(現物給与)の概要と種類、具体例を確認していきます。また、社会保険料における現物給与の価額の算定方法や、所得税における課税・非課税の考え方、現物給与に関するよくある質問についても解説します。現物支給(現物給与)について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
監修者:社会保険労務士 伊藤大祐

 

現物支給(現物給与)は、従業員満足度を高めるうえで役立つものです。

 

ただし、現物支給には多くの種類があり、税金や社会保険料にも影響する特徴があります。
人事給与担当者が事務手続きを適切に行うためには、現物支給の基礎知識を身につけたうえで、法令に則った対応をしなければなりません。

 

そこで本記事では、現物支給の概要と種類、具体例を確認していきます。
記事の後半では、社会保険料における現物給与の価額の算定方法や、所得税における課税・非課税の考え方、現物給与に関するよくある質問についても解説します。

 

なお、本記事では、従業員に対して現金ではなく物品やサービスなどで経済的利益を提供することを「現物支給」と呼びます。また、税務や社会保険の実務において給与・報酬として扱われるものを「現物給与」として解説しますのでご了承ください。

 

現物支給(現物給与)とは?
その定義と仕組み

 

現物支給(現物給与)の制度設計を行い、適切な給付手続きを行うためには、現物支給の定義はもちろんのこと、その背景にある法律を理解することが大切です。

 

この章では、現物支給の基礎知識として、関連制度である「通貨払いの原則」を確認したうえで、現物支給の基本的な定義と運用上の考え方を解説していきます。

 

現物支給(現物給与)と「通貨払いの原則」の関係

 

労働基準法第24条第1項では、会社が従業員に対して、給与(賃金)を通貨により支払わなければならないことを定めています。このルールが一般に「通貨払いの原則」と呼ばれます。

 

通貨払いの原則は「賃金支払の5原則」の一項目であり、この5原則では、給与(賃金)を、「通貨で、直接労働者に、全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うこと」を定めています。

 

ただし、以下のようなものは、通貨よりも現物で支給したほうが事務手続き上も効率的です。

 

 

  • 住宅(社宅や寮など)の貸与
  • 自社製品
  • 食事
  • 通勤定期券 など

 

 

また、食事や自社製品などは、必要に応じて支給するケースもあることから、賃金支払の5原則のルールでは運用しづらいものとなります。

 

そこで労働協約などで特段の定めをした場合に認められるのが、通貨払いではない「現物支給(現物給与)」です。
昭和63年3月14日通達の「基発第150号・婦発第47号」では、労働協約と現物支給について以下のように定めています。

 

 

労働協約とは、労働組合法でいう労働協約のみをいい、労働者の過半数を代表する者との協定は含まれません。なお、労働協約の定めによって通貨以外のもので支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られます。

 

<引用>:確かめよう労働条件|給与の現物支給は、労基法上、問題はないのでしょうか?(厚生労働省)

 

 

なお、労働基準法第24条第1項のただし書きでは、以下のいずれかの場合に通貨払いの例外になることを定めています。

 

 

① 法令に別段の定めがある場合
② 労働協約に別段の定めがある場合
③ 厚生労働省令で定める賃金について確実な支払いの方法で
  厚生労働省令で定めるものに拠る場合

 

 

③は、銀行口座や証券総合口座、自己宛小切手といった「金銭の支払い方法」の話です。一般的な企業実務において、賃金の一部を現物で支給する場合は主に②の「労働協約に別段の定めがある場合」が問題になります。したがって、各企業における現物支給の制度は、②の「労働協約に別段の定めがある場合」に限り認められることになります。

 

賃金支払の原則と現物支給、労働協約の関係については、厚生労働省が以下のページで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

 

<参考>:確かめよう労働条件|給与の現物支給は、労基法上、問題はないのでしょうか?(厚生労働省)

 

現物支給(現物給与)の主な種類と具体例

 

現物給与または福利厚生として扱われる主な支給例として、以下のものが挙げられます。

 

 

  • 住宅(無償または低額での寮・社宅の貸与 など)
  • 食事
    (食事代の補助、社員食堂でのランチ提供、
     休憩室のウォーターサーバー設置 など)
  • 制服、ユニフォーム
    (業務上必要な貸与物として扱われる場合は、
     現物給与に該当しないケースもあります)
  • 人間ドック費用の会社負担
  • 通勤定期券
  • 社員旅行や社員レクリエーションの費用
  • 職務遂行するうえで必要となる技術・資格の習得費用
  • 保養所や会社施設を利用できる権利
  • 自社製品の利用、値引き販売
  • スポーツクラブ・ゴルフクラブなどの入会金や年会費
  • 記念品
  • 商品券、カタログギフト
  • 冠婚葬祭のご祝儀・香典・見舞金 など

 

 

現物支給(現物給与)の価額と算定方法

 

現物給与では、従業員に対して現金以外のものやサービスを用いて支給を行います。

 

そこで注意すべき点があります。それは、従業員にとってものやサービスの受領は金銭的なメリットがあることから、社会保険料を算出する際にそれらを「報酬の一部」として取り扱わなければならない点です。

 

そして、報酬の一部となる物品・サービスの価値を「価額」と呼びます。

 

現物支給における「社会保険料の価額」の基本的な考え方

 

社会保険料における現物給与の価額については、以下の2つのパターンがあります。

 

 

① 【食事・住宅】厚生労働大臣の定めに基づき換算されるもの
② 【食事・住宅以外】労働協約にもとづく「時価」が適用されるもの

 

 

①の食事・住宅の費用には、以下に該当した場合に「現物給与に該当する」という基準があります。

 

食事の利益が現物給与とされる場合 住居の利益が現物給与とされる場合
  • 住込労働者で1日2食以上給食されることが常態にある場合
  • 上記以外では、次の全てに該当する場合には、福利厚生として取り扱う。
    ①給食によって賃金の減額を伴わないこと
    ②労働協約、就業規則等に定められて明確な労働条件の内容となっている場合でないこと
    ③給食による客観的評価額が社会通念上僅少なものと認められる場合であること
  • 住居施設が供与されない者に対して、住居の利益を受ける者との均衡を失しない定額の均衡手当が一律に支給される場合

 

<出典>:現物給与制度の概要<PDF>(厚生労働省)

 

また、食事・住居の場合は、上記に該当した際に後述する方法で価額を算出します。

 

これに対して、食事・住宅以外の現物給与については、原則として時価に換算して報酬に合算します。なお、賃金として現物支給を行う場合には、労働基準法上の通貨払いの原則との関係から、労働協約に別段の定めが必要となる点にも注意が必要です。

 

現物支給(現物給与)における価額の算定方法

 

食事・住居における現物給与の価額の算定方法は、少し複雑です。詳しく見ていきましょう。

 

  • 現物給与における価額の基本的な考え方

厚生年金保険と健康保険の算出では、厚生労働省が告示した「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」に基づき、食事と住宅の現物支給分を通貨に換算して、保険料額算定の基礎となる標準報酬月額を求めます。

 

最新の「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」は下記に引用しますが、日本年金機構のホームページで確認可能です。

 

厚生労働大臣が定める現物給与の価額

<引用>:令和8年4月から現物給与の価額が改定されます<PDF>(日本年金機構)

 

  • 【食事】現物給与の価額における算定方法と注意点

従業員に食事を提供する場合、上記の表のなかから以下の項目を用いるイメージです。

 

 

  • 1人1月当たりの食事の額
  • 1人1日当たりの食事の額
  • 1人1日当たりの朝食のみの額
  • 1人1日当たりの昼食のみの額
  • 1人1日当たりの夕食のみの額

 

 

たとえば、北海道に事業所がある会社で令和8年度、従業員に1日2食以上の食事を提供していると仮定します。その場合の価額は、「1人1月当たり25,500円」です。
ただしそこで、食事代の一部を徴収している場合、以下のように「価額の2/3以上を徴収しているかどうか?」で判断が変わってきます。

 

 

① 【価額の2/3以上を徴収している場合】
  現物給与ではないものとして取り扱う
② 【価額の2/3未満を徴収している場合】
  「現物給与価額-徴収額」の差額を現物給与として扱う

 

 

上記のケースで「1人1月当たり5,500円の徴収」を行っている場合、②に該当することで「25,500円-5,500円⇒20,000円」が現物給与分に該当するわけです。

 

  • 【住宅】現物給与の価額における算定方法と注意点

従業員に住宅の現物支給をしている場合も、日本年金機構が示す上記の表を使います。ただし令和8年は、食事の現物給与価額が4月1日から改正され、住宅については10月1日から価額と算出方法が改正されます。

 

詳しくは下記のとおりですが、住宅については令和8年9月30日までは従来どおり「居住用の室」を基準に算定し、10月1日以降は「総面積」を基準に算定する点に注意が必要です。

 

 

【令和8年9月30日まで】
価額計算にあたっては「居住用の室のみ」を対象とする。「1畳あたり1.65平方メートル」に換算して計算する。

 

【令和8年10月1日から】
居住する住居の「総面積」を対象とする。台所・トイレ・浴室・廊下も含める。ただし、別棟の物置・車庫・共同の使用スペースの面積は除く。また、1畳あたりではなく「1平方メートルにつき◯◯円」を基準に価額計算を行う。

 

<出典>:令和8年4月から現物給与の価額が改定されます<PDF>(日本年金機構)

 

 

実際の算出では、先述の表における以下の数字を居住用住宅の面積にかけていきます。

 

 

  • 【令和8年9月30日まで】
     1人1月当たりの住宅の利益の額(畳一畳につき)
  • 【令和8年10月1日から】
     1人1月当たりの住宅の利益の額(総面積1平方メートルにつき)」

 

 

たとえば、北海道の事業所で働く従業員が居住スペース12畳の社宅に住んでいた場合、まずは以下の計算式で価額を算出します。

 

 

  • 1,110円(北海道の1畳あたりの価額)×12畳⇒13,320円

 

 

そのうえで、食費と同様に従業員から徴収している社宅使用料の金額から、現物給与に該当するかどうかを見ていくことになります。
そこで仮に10,000円の社宅使用料を徴収していれば、下記に当てはめて計算し「13,320円-10,000円⇒3,320円」が現物給与の価額になるわけです。

 

 

  • 【徴収した社宅使用料≧現物給与価額の場合】
     現物給与ではない
  • 【徴収した社宅使用料<現物給与価額の場合】
     現物給与価額-社宅使用料の差額が現物給与となる

 

 

TAXのブロックとバインダー、電卓と鉛筆

現物支給(現物給与)に対する課税の有無

 

現物給与には、所得税および復興特別所得税の課税対象と非課税対象があります。

 

従業員に現物給付したものやサービスが課税対象の場合、源泉徴収を行わなければなりません。人事担当者が給与計算や税務処理を適切に行ううえでは、以下3つのカテゴリにおいて非課税になりうる費目と要件を押さえておく必要があるでしょう。

 

(1)食事代

 

食事の現物給与にかかる非課税限度額は、令和8年4月1日以後の支給分より「月額7,500円」に引き上げとなりました。従来の月額3,500円から、4,000円引き上げられた形です。

 

この改正により、役員や使用人(従業員)に支給する食事代については、以下の2つの要件を両方満たしたときに非課税となります。

 

 

① 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
② 「(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)」で
  算出した金額が、1ヵ月当たり7,500円
  (消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であること。

 

<出典>:No.2594 食事を支給したとき(国税庁)

 

 

なお、税務上における食事の“価額”として扱われるのは、以下のいずれかに該当したものとなります。

 

 

① 弁当などを購入して支給している場合には、業者に支払う購入金額
② 社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額

 

<引用>:No.2594 食事を支給したとき(国税庁)

 

 

(2)社宅・社員寮

 

社宅や社員寮の使用料は、従業員から1ヵ月あたり一定額の家賃(賃貸料相当額の50%以上)を受け取っていれば給与として課税されません。ここでいう「賃貸料相当額」とは、以下の①~③の合計額となります。

 

 

① (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント
② 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3(平方メートル))
③ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント

(注)会社などが所有している社宅や寮などを貸与する場合に限らず、他から借りて貸与する場合でも、上記の①から③を合計した金額が賃貸料相当額となります。

 

<引用>:No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき(国税庁)

 

 

また、社宅・社員寮の場合には、給与として課税される範囲も以下のように定められています。

 

 

① 【使用人に無償で貸与する場合】
  ⇒賃貸料相当額が給与として課税されます。
② 【使用人から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合】
  ⇒受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、
   給与として課税されます。
③ 【現金で支給される住宅手当や、
    入居者が直接契約している場合の家賃負担】
  ⇒社宅の貸与とは認められないので給与として課税されます。

 

<引用>:No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき(国税庁)

 

 

なお、社宅・社員寮の現物給与における課税・非課税対象には、多くの注意点があります。給与計算を行う際には、上記の引用元である国税庁の情報を必ず確認するようにしてください。

 

(3)社員旅行の費用

 

社員旅行や従業員レクリエーション旅行の場合、旅行内容を総合的に勘案して課税・非課税の判定を行います。原則は、以下の2つの要件を軸に判断します。

 

 

① 従業員に供与する経済的利益の額が少額 かつ
② 強いて課税しないという少額不追及の趣旨を逸脱しないもの

 

 

また定量的な要件として、以下の2点も見る必要があります。

 

 

① 【旅行の期間】4泊5日以内
  (海外旅行の場合は、外国での滞在期間が4泊5日)
② 【旅行参加人数】全体の50%以上

 

 

業務として直接必要となる研修旅行の場合、その費用は給与として課税されません。ただし、その研修旅行が直接必要ではないと判断された場合、旅行費用は課税対象となります。具体的には、以下のものは会社の業務を行ううえで「直接必要である」とは認められづらいでしょう。

 

 

① 同業者団体の主催する、主に観光旅行を目的とした団体旅行
② 旅行のあっせん業者などが主催する団体旅行
③ 観光渡航の許可をもらい海外で行う研修旅行

 

<引用>:No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行(国税庁)

 

 

さらには、以下のようなものは、国税庁が示す従業員レクリエーション旅行には該当しません。その旅行にかかる費用は、給与や交際費といった形で適切に税務処理する必要があります。

 

 

① 役員だけで行う旅行
② 取引先に対する接待、供応、慰安等のための旅行
③ 実質的に私的旅行と認められる旅行
④ 金銭との選択が可能な旅行

 

<引用>:No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行(国税庁)

 

 

現物給与を適切に管理するための
実務ポイント

 

現物給与には種類が多く、税金と社会保険料で注意すべきポイントが異なる特徴があります。非常に複雑な現物給与を適切に取り扱い、従業員への給付や源泉徴収などを行うためには、法制度の理解はもちろんのこと情報の整理もしっかり進めていくことが大切です。

 

この章では、現物給与を適切に扱うための事務手続きとポイントを解説していきます。

 

ポイント(1)会社が現物支給しているものやサービスを洗い出す

 

まず、会社が現物支給の対象としているものをすべて洗い出し、一覧表にします。その際に、就業規則のページ番号や章などを記載しておくと、従業員からの問い合わせや制度改正にともなう見直しも迅速に行えるでしょう。

 

ポイント(2)従業員ごとの情報を整理する

 

支給項目を洗い出したら、次は従業員ごとの情報を以下の視点で整理しましょう。

 

 

  • 【会社が給付する内容】
     誰に、どの項目について、どのくらいの頻度で、
     どのくらいの金額を支給しているか?
  • 【従業員の自己負担額】
     誰が、どの項目について、どのくらいの頻度で、
     いくらを負担しているのか?

 

 

食事や社宅の場合、従業員の負担割合が課税可否の決め手となります。そのため、最新の自己負担額を一覧で管理しておくとよいでしょう。

 

ポイント(3)現物給与の源泉徴収税と社会保険料の取り扱いを整理する

 

人事給与の担当者が適切な事務手続きを迅速に行うためには、先ほど紹介した源泉徴収税と社会保険料に関する知識を理解・整理することも大切です。

 

また、社会保険料の価額は毎年変更されますし、税金のほうでも通勤手当と食事代の非課税限度額が変わったばかりです。人事担当者が現物給与を取り扱ううえでは、制度改正にあわせて自分の知識をアップデートする姿勢も必要でしょう。

 

ポイント(4)文書化や記録化でトラブルを防ぐ

 

現物支給を行う際には、就業規則や労働協約などで具体的なルールを定めて、各従業員に周知する必要があります。従業員でもわかりやすい申請マニュアルやルールブックなどを作成しておけば、問い合わせの際に迅速な案内や調査を行えるでしょう。

 

また、自社製品のように支給が不定期に発生するものについても、「いつ、誰に、何を、どのくらい支給したか?」といった情報を台帳管理し、税務署や年金事務所からの問い合わせに対応するための備えをしておく必要があります。

 

現物支給(現物給与)に関するよくある質問

 

最後に、現物支給(現物給与)に関するよくある質問と回答について紹介しましょう。

 

Q.現物給与のメリットとデメリットは?

 

現物給与の具体的なメリット・デメリットは、企業の運用方法や支給するもの・サービスごとに異なります。一般的な現物給与では、以下のメリットやデメリットが生じることが多いでしょう。

 

  現物給与の効果・メリット 現物給与のデメリット
従業員
  • 実質的な手取りが増える
    可能性がある
  • 生活にかかる費用を
    浮かせられる可能性がある
  • 税金や社会保険料が
    高くなる
  • 用途が限られることが
    多い
会社
  • 従業員満足度を高められる
  • 福利厚生の充実により、
    人材獲得や離職率の
    低下につなげられる
  • 要件に応じて、
    給与・福利厚生費などとして
    適切に損金算入できる
  • 労働協約や管理に
    多くの手間がかかる
  • すべての従業員が
    満足するわけではない
  • 不公平感が生じることが
    ある

 

なお、メリットとして挙げられている「従業員満足度を高める」ことの重要性は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

 

【関連記事】従業員満足度(ES)と従業員エンゲージメントの違いとは?高めるメリットや方法も解説

 

Q.現物支給を行う場合、労働協約では何を定めればよい?

 

現物支給を賃金として行う場合は、労働協約において対象となる労働者や支給する物品・サービスの内容、評価方法、支給条件などを明確に定めておくことが重要です。

 

また、労働協約は書面で作成し、労働組合と使用者の双方が署名または記名押印することで効力が生じます。具体的な定め方は企業の労使関係や支給内容によって異なるため、導入時には厚生労働省の資料や専門家の助言を確認するとよいでしょう。

 

<参考>:労働協約について<PDF>(厚生労働省)

 

Q.社宅の現物給与額は、「社宅の住所」と「人事部門の住所」のどちらで算定する?

 

たとえば、算定を行う勤務先(人事部門)が「東京都」、従業員の社宅が「埼玉県」にある場合、勤務先住所がある「東京都」の基準で算定します。また、派遣労働者の場合は、「派遣元事業所がある住所地」での算定が必要です。

 

Q.月の途中で社宅に入った場合、現物給与の価額はどうなる?

 

月途中で社宅を使い始めた場合には、以下の計算式を使って日割り計算を行います。

 

 

  • 1ヵ月の現物給与価額×入居日以降の残日数/入居月の総日数

 

 

人事労務のアウトソーシングならラクラスへ

 

本記事では、現物支給(現物給与)の概要と種類、具体例を確認してきました。社会保険料における現物給与の価額の算定方法は複雑なため、人事部のなかでも運用するのに負担を感じている方も多いのではないでしょうか。

 

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この記事の監修者:社会保険労務士 伊藤大祐
社労士試験合格後、社労士事務所勤務を経て、ソフトバンクグループのシェアードサービス企業で給与計算業務に携わるとともに人事システムの保守・運用を担う。
その後、人事業務のアウトソーシングサービスを提供する企業の立上げに参画。主に業務構築、システム運用に従事。
その他、人事領域以外のアウトソーシング企業等での勤務も経験し2019年に独立。
現在、人事・給与計算システムの導入支援を中心に社労士として顧問企業の労務面のサポートも行う。

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