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スキルマップとは?効果的な作り方と運用ポイントを徹底解説

最終更新日
机を取り囲んでスキルマップについて会話する社員

本記事では、スキルマップの定義やメリット、作成ステップを紹介します。また、スキルマップの効果を高めるための運用方法と、作成時の注意点についても解説していきます。スキルマップの導入を検討している担当者の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

 

スキルマップは、適材適所の人材配置や従業員個人のパフォーマンス向上に役立つものです。ただし、スキルマップを自社の課題解決に役立てるためには、適切な手順で作成する必要があります。また、スキルマップの効果は、運用の仕方によっても変わってくるものです。

 

そこで本記事では、スキルマップの定義やメリット、作成ステップを紹介します。記事の後半では、スキルマップの効果を高めるための運用方法と、作成時の注意点についても解説していきます。

 

スキルマップとは?

 

人事担当者が戦略人事に役立つスキルマップを設計するうえでは、一般的な定義や関連用語との違いを理解しておくことが大切です。この章では、スキルマップの基礎知識を確認しましょう。

 

スキルマップの定義とは?

 

スキルマップは、従業員のスキルとその習熟度を記載した一覧表の総称です。具体的には、各従業員が「どのスキルを」「どのレベルで」保有しているかを可視化するものといえるでしょう。

 

また、海外では「スキルマトリックス(Skills Matrix)」などと呼ばれることがあります。日本ではスキルマップと同じ役割を持つ一覧表について、「力量管理表」や「能力マップ」と呼ぶケースもあるようです。

 

スキルマップの「スキル」とは?

 

スキルマップの「スキル」とは、学習・訓練・業務経験を通して身につけられる能力の総称です。スキルは後天的に獲得・向上できるものであり、生まれ持った資質とは異なります。

 

業務で必要となるスキルの代表例として、「専門スキル」と「ポータブルスキル」があります。

 

  • 専門スキルとは?

専門スキルとは、特定の仕事をするために求められる専門知識や技術力などです。たとえば人事領域でいえば「給与計算の知識がある」とか「専用ソフトを使い、適切な事務手続きを行える」といったものが専門スキルにあたるでしょう。

 

  • ポータブルスキルとは?

ポータブルスキルは、職種や業種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルの総称です。厚生労働省では以下のとおり「仕事のし方(対課題)」と「人との関わり方(対人)」という2つの軸を設定し、ポータブルスキルを9つの要素に整理しています。

 

仕事のし方
(対課題)
現状の把握 取り組むべき課題やテーマを設定するために行う情報収集やその分析のし方
課題の設定 事業、商品、組織、仕事の進め方などの取り組むべき課題の設定のし方
計画の立案 担当業務や課題を遂行するための具体的な計画の立て方
課題の遂行 スケジュール管理や各種調整、業務を進めるうえでの障害の排除や高いプレッシャーの乗り越え方
状況への対応 予期せぬ状況への対応や責任の取り方
人との関わり方
(対人)
社内対応 経営層・上司・関係部署に対する納得感の高いコミュニケーションや支持の獲得のし方
社外対応 顧客・社外パートナー等に対する納得感の高いコミュニケーションや利害調整・合意形成のし方
上司対応 上司への報告や課題に対する改善に関する意見の述べ方
部下マネジメント メンバーの動機付けや育成、持ち味を活かした業務の割り当てのし方

 

<引用>:ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)(厚生労働省)

 

ポータブルスキルは、「Aさんは優秀だから部下のマネジメントもできるはずだ」といった感覚や印象で判断されがちです。しかし、こうした思い込みや印象に基づいて評価・配置を行うと、経営戦略に基づく適切な人材マネジメントを行えなくなります。

 

このような問題を防ぐためには、客観的な視点で個々のスキルを可視化・整理する必要があります。そのために用いられるのが、スキルマップだといえるでしょう。

 

<参考>:ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)(厚生労働省)

 

 

スキルマップ作成に活用できる厚生労働省の「職業能力評価シート」

 

職業能力評価シートは、厚生労働省が提供する、人材育成や能力評価に活用できるチェック形式の評価シートです。具体的には、厚生労働省が策定した職業能力評価基準をもとに、実務で使いやすい形に簡略化されたチェック形式の評価表となります。

 

2026年8月時点では、事務系職種に加えて以下の16業種に関する職業能力評価シートが提供されています。

 

エステ
ティック業
警備業 葬祭業 ディスプレイ業
外食産業 フィットネス産業 卸売業 在宅介護業
スーパー
マーケット業
電気通信工事業 ホテル業 ビル
メンテナンス業
アパレル業 ねじ製造業 旅館業 ウェブ・
コンテンツ制作業

 

職業能力評価シートは、人事労務担当者がスキルマップの新規設計をする際に活用できるものです。興味がある方は、厚生労働省が公開する以下のページよりダウンロードしてみてください。

 

<参考>:職業能力評価シート(事務系職種)のダウンロード(厚生労働省)

<参考>:キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード(厚生労働省)

 

スキルマップと人材ポートフォリオの違い

 

スキルマップと混同されやすい概念に、「人材ポートフォリオ」があります。スキルマップと人材ポートフォリオの大きな違いは、スキルを整理するうえで「従業員と組織のどちらを軸にするのか?」という点です。

 

人材ポートフォリオは、会社の経営戦略や将来的なビジョンを軸に、求める人材のスキルや資質を定義します。一方でスキルマップは、各従業員を軸にスキルとそのレベルを一覧化していくものです。

 

スキルマップの作成による効果・メリット

 

自社に合う適切なスキルマップを作成・導入・活用すると、いくつかのメリットが期待できます。5つを挙げて解説しましょう。

 

メリット(1)
各従業員のスキルを客観的に可視化できる

 

スキルマップを導入すると、組織が定めた評価基準に基づき各従業員のスキルを可視化できます。それはつまり、従来のスキル整理における以下のような問題を解消できるということになります。

 

 

  • 上司の主観でスキルの有無やレベルを決めつけてしまう問題
  • 好印象を持つ部下を高く評価するなど、
    評価者の認知バイアスが影響する問題

 

 

メリット(2)
人事評価や配置の公平性を高めやすくなる

 

スキルマップは、人事評価や人材配置とも連動できるものです。

 

たとえば、システム開発のプロジェクトを担うエンジニアにA・B・Cという3つのスキルが必要だと仮定します。そこで各従業員のスキルマップを作成しておくと、多くのエンジニア人材のなかから「A・B・Cという3つのスキルを持つ人材は誰か?」という視点で業務のアサインや配置を行えるようになります。

 

また、このプロジェクトチームにおいては、A・B・Cの必要スキルを高いレベルで持つ人材は、プロジェクトでも成果を発揮しやすいと考えられます。

 

スキルマップをベースに業務のアサインや評価を行うことで、従業員の納得感を高めやすくなります。従来の配置や評価に明らかな不公平感がある場合には、スキルマップ導入の有効性が特に高くなるでしょう。

 

メリット(3)
スキルギャップを把握・解消しやすくなる

 

スキルギャップとは、従業員が持つスキルと会社が事業展開するうえで求めるスキルが釣り合っていない状態のことを指します。

 

たとえば、上司による主観でスキルの洗い出しが行われている場合、「Aさんは優秀だから、DXプロジェクトでも問題なく対応できるだろう」といった根拠のない憶測や期待に基づく業務アサインが行われがちです。

 

しかし、実際にはAさんにDXプロジェクトを担えるだけのスキルがない場合、スキルギャップにより業務に以下のような影響が生じるでしょう。

 

 

  • 業務の遂行および目標達成が難しくなる
  • スケジュールの遅れやミスの修正フォローなどが増えることで、
    業務コストが増加する
  • 品質・顧客満足度・信頼性が低下する

 

 

スキルマップを活用して適材適所の配置や人材育成を行うことで、スキルギャップによる諸問題の解消につなげられるのです。

 

なお、従業員が保有するスキルを基準に人材の育成・評価・配置などを行う組織運営の考え方を「スキルベース組織」と呼びます。以下の記事では、スキルベース組織について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

 

【関連記事】スキルベース組織とは?基本概念と注目される理由を徹底解説

 

メリット(4)
従業員のモチベーション向上が期待できる

 

先述のスキルギャップや不公平感のある配置・評価の解消は、従業員のモチベーション向上につながるものです。

 

たとえば、スキルマップを通して適切な配置が行われると、従業員は自分の強みを活かせる仕事に取り組みやすくなります。また、上司の主観による理不尽な業務アサインなどがなくなると、組織への信頼や安心感を持って仕事に取り組みやすくなるでしょう。

 

従業員のモチベーションは、人材の定着率や生産性の向上にも不可欠な要素となりますので、非常に重要です。

 

メリット(5)効果的な従業員教育を行える

 

スキルマップを作成すると、各従業員の強みや課題を可視化することができます。そこで可能になるのが、「強みをさらに伸ばす」「弱点を克服する」といった戦略的な教育です。

 

各従業員に合った教育プログラムを設計することで、少ないリソースのなかでも効率的かつ効果的な人材育成を進めやすくなるでしょう。また、このポイントについて人事部門の視点で考えていくと、人材育成業務の効率化も期待できるはずです。

 

STEPと書かれた積み木とミニチュアの人類

効果的なスキルマップの作成手順

 

スキルマップの導入効果を最大化するためには、適切な流れで設計・運用を行うことが大切です。この章では、スキルマップの作成手順と各ステップで注意すべきポイントを解説します。

 

ステップ1:目的の明確化

 

最初に行うのは、「何のためにスキルマップを作るのか」という目的の明確化です。

 

スキルマップに並ぶ項目は、多岐にわたります。また、実際に得られる効果も、スキルマップの内容と運用の影響を受けることが多いでしょう。そこで自社の人事戦略に役立つスキルマップを作るためには、以下のような目的を具体的に言語化する必要があります。

 

 

(1)適材適所の人材配置を行うため

(2)教育プログラムの精度を高めるため

(3)最新技術を用いた新規事業に備えて、
    組織全体の保有スキルを把握するため

(4)人事業務の効率化につなげるため など

 

 

既存の組織で適材適所の配置をする目的であれば、各業務で使用するスキルを土台としてマップの作成を行えるでしょう。

 

これに対して、たとえば、DX推進の新規プロジェクトに向けて人材の調達・教育を検討する場合、現状の自社には存在しないDX人材の定義や種類を理解したうえで、それらに不可欠なスキルを洗い出す作業が必要かもしれません。

 

このようにスキルマップの作成に必要な作業内容や掘り下げる度合いは、「スキルマップを何に使うか?」の影響を強く受けます。設計途中でぶれることなくスキルマップを完成させるためには、目的をなるべく具体的に言語化したほうがよいでしょう。

 

ステップ2:必要なスキルの洗い出し

 

目的が明確になったら、各職種や業務について必要スキルの洗い出しに入ります。たとえば営業職の場合、以下のようなスキルが挙げられるでしょう。

 

交渉力 タイム
マネジメント力
課題発見力 商品知識
傾聴力 目標達成力 論理的思考力 市場の理解
プレゼンテー
ションスキル
イベント企画力 セルフ
マネジメント力
仮説思考

 

このステップでは、思いつく限りのスキルをピックアップしていきます。

 

ピックアップは人事部門と管理職が主導するケースが多いですが、その際は現場メンバーの意見を聞くことも重要です。「現場で不可欠なスキル」や「業務効率・生産性を高めるスキル」も収集することで、より効果的なスキルマップを作成できるでしょう。

 

ステップ3:スキル項目の設定

 

ステップ2で洗い出したスキルのなかから目的に合ったスキル項目を選び、以下のように大項目・小項目などの形でカテゴリ分けをしていきます。

 

大項目 小項目
コミュニケーション系のスキル
  • 交渉力
  • ヒアリング力
  • 傾聴力
  • プレゼンテーション力
マネジメント系のスキル
  • タイムマネジメント力
  • セルフマネジメント力
  • 組織マネジメント力
  • 目標達成力
思考力系のスキル
  • 論理的思考力
  • 課題発見力
  • 仮説思考
その他
  • マーケティング力
  • イベント企画力
  • 商品知識
  • 市場の理解

 

このステップにおける注意点は、スキルの粒度を細かくしすぎないということです。

 

たとえば、上記のタイムマネジメント力には、タスクの整理・優先順位付け・時間管理……のようにさらに細かなスキルも含まれます。これらの項目を網羅したスキルマップを作成すると、全体像を把握しにくくなり、更新・管理の負担も大きくなります。さらには、このスキルマップを土台とする教育プログラムも複雑な設計になってしまいます。

 

作成後に生じる余計な手間を防ぐうえでは、後々の管理や活用までを想定しながら、適度な粒度で項目の設定をする必要があるでしょう。

 

ステップ4:スキルにおける評価基準の設定

 

各従業員のスキルのレベルを知るために、評価基準を設定します。習熟度を段階的に把握できるよう、複数の評価レベルを設定しましょう。たとえば、以下のような5段階で設定する方法があります。

 

【営業ヒアリング力における5段階評価の基準(例)】

 

評価レベル 定義と状態
Lv0 相手の話を最後まで聞き、要点を把握することが難しい
Lv1 相手の言葉に対して、オウム返しは行える
Lv2 事実と解釈を分けて、話を聞ける
Lv3 相手の顕在ニーズを具体的に理解できる
Lv4 相手の解釈の背景にある目的・潜在ニーズまで理解できる

 

各レベルの定義は、具体的な内容にする必要があります。これらの項目・基準を人事評価に活用する場合、評価者・被評価者の両方が理解できる内容が求められるでしょう。

 

人事評価制度の設計ポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

 

【関連記事】人事評価とは? 効果を最大化する最新トレンド手法や成功事例、導入ポイントを解説

 

ステップ5:スキルマップの作成と記入

 

スキル項目と評価基準が決まったら、いよいよスキルマップのシートを作成して、そこに各従業員のスキルを記入していきます。記入の方法には、大きく分けて以下の3つがあるでしょう。

 

 

  • 従業員本人にヒアリングして記入する
  • 直属の上司が実績や成果物を見ながら記入をしていく
  • 上司と部下で話し合いながらスキルマップを完成させていく

 

 

効果的にスキルマップを運用するための
ポイント

 

スキルマップの導入作業は、作成と記入が済んだらそれで終わりではありません。スキルマップの導入効果を高めるためには、適切な方法による運用も重要になります。この章では、運用時のポイントを5つ挙げて解説していきます。

 

ポイント(1)
まずはスキルマップの試験導入を行う

 

スキルマップの失敗を防ぎ作成コストを最小限にするためには、比較的導入しやすい小規模な部門・組織で試験導入する方法が有効です。これは一般に「スモールスタート」と呼ばれる方法です。

 

たとえば、業務内容や必要スキルが比較的標準化されている部門から試験導入すると、本格導入に向けた試行・改善を短いサイクルで繰り返しやすくなるでしょう。

 

ポイント(2)定期的な見直しと改善を行う

 

スキルマップの項目や評価基準は、現場の実態やビジネス環境の変化に応じて改善を続けるべきものです。

 

たとえば、競争優位性を高める目的で従業員教育に力を入れた場合、個人や組織全体のスキル水準が向上していくことが考えられます。もし全メンバーに一定レベルのスキルが身についているのであれば、評価基準のレベルを変える必要があるかもしれません。

 

また、近年のビジネス環境では、業務ツールの一つとして生成AIを活用することも珍しくなくなりました。そのため、業務に必要なスキル項目を洗い出す場合は業務内容によって「ITリテラシー」に加え「AIリテラシー」を新たなスキル項目として設定することも検討できるかもしれません。

 

スキルマップの見直しについては、以下のような要素から総合的に検討していく必要があるでしょう。

 

 

  • 現場でスキルマップを使う従業員からのヒアリング内容
  • 目的の達成度や、定着率・生産性といった定量指標
  • その時代に求められる知識やスキル など

 

 

ポイント(3)
人事評価制度や教育プログラムなどと連携する

 

作成したスキルマップを宝の持ち腐れにしないためには、人事領域における以下のような制度・施策・システムと連動させていくことも重要です。

 

 

  • 人事評価制度(評価制度・等級制度・報酬制度)
  • 目標管理制度
  • 教育プログラム
  • eラーニング
  • 人材配置
  • タレントマネジメント など

 

 

たとえば、「等級レベル3の営業リーダー」になるうえで一定レベルのスキルが求められる場合、以下のように“視聴すべきeラーニング動画”と紐づけることもおすすめです。

 

スキル 必要レベル 視聴すべきeラーニング講座
交渉力 Lv4以上 上級アプローチ講座⑤~⑧
プレゼンテーション力 Lv4以上
組織マネジメント力 Lv3以上 上級アプローチ講座⑤~⑧
イベント企画・運営力 Lv3以上 イベントオーガナイザーの基礎⑤⑥
イベントオーガナイザーの応用①
市場の理解 Lv5以上 市場分析スキル講座④⑤

 

このような一覧表があれば、従業員は自分のキャリアビジョンに合う自律的な学習を進めやすくなるでしょう。

 

ポイント(4)管理職教育に力を入れる

 

スキルマップ導入による効果の鍵を握るのが、現場の管理職です。スキルマップの設計・運用に積極的に関わってもらうためには、教育のなかで以下のような有効性を紹介して、「スキルマップの必要性」や「メリットへの理解」を促す必要があります。

 

 

  • なぜスキルマップを導入するのか?
  • 従来の人事評価制度と何が違うのか?
    (スキルマップと人事評価を連携した場合)
  • スキルマップの導入により、現場のどのような課題が解決するのか?
  • 管理職にはどのようなメリットがあるのか? など

 

 

スキルマップ導入にともない管理職の意識を変えるうえでは、経営層によるメッセージも大切です。経営層がスキルマップの役割や目的を経営ビジョンと連動して語ることで、管理職は納得感を持ってスキルマップを理解し、積極的に活用しやすくなるでしょう。

 

ポイント(5)フィードバックで活用する

 

作成したスキルマップは、上司と部下のコミュニケーションを円滑にするうえでも役立ちます。

 

たとえば、Aさんの成長が停滞し、目標としている営業リーダーへの昇格に至っていないと仮定します。そこで以下のように「営業リーダーに必要なスキルレベルをまとめた表」と「Aさんのスキルレベル情報」を照合すると、赤字の「プレゼンテーション力」と「組織マネジメント力」の部分でフォローが必要であることが見えてくるでしょう。

 

スキル 必要
レベル
Aさんの
レベル
視聴すべきeラーニング講座
交渉力 Lv4以上 Lv5

上級アプローチ講座⑤~⑧

プレゼン
テーション力
Lv4以上 Lv3
組織
マネジメント力
Lv3以上 Lv2 営業リーダーシップ講座①②
イベント企画
・運営力
Lv3以上 Lv3 イベントオーガナイザーの
基礎⑤⑥
イベントオーガナイザーの
応用①
市場の理解 Lv5以上 Lv5 市場分析スキル講座④⑤

 

また、視聴すべきeラーニング講座は、上司と部下の共通言語のような役割を担います。そのため、具体的には以下のようなフィードバックが可能でしょう。

 

 

「Aさんは組織マネジメントが少し苦手なようだから、営業リーダーシップ講座②をもう一度視聴して基本ステップを理解したほうがよいかもしれないですね。特に『目標と計画をチームに浸透させる』のところを再視聴してみるとよいでしょう。不明点があればいつでも質問してください」

 

 

上記のように特定の等級に達するために必要なスキル・基準・教材が整理されていれば、上司によるフィードバックポイントの標準化も可能となります。こうした仕組みが整備されていると、部下は上司の主観に振り回されることなく、安心してスキルアップに励みやすくなるでしょう。

 

スキルマップ作成時の注意点

 

スキルマップには、ここまで紹介してきたとおり多くの導入効果があります。ただし、導入や運用のやり方によっては、デメリットや失敗が生じることもあるため注意が必要です。一般的な注意点を2つ紹介しましょう。

 

注意点(1)
運用開始までに多くの手間と時間がかかる

 

効果的なスキルマップを作成するには、評価項目の洗い出しや評価基準の設定だけでも多くの手間がかかります。また、そこで人事評価制度や教育プログラムと連動させるとなれば、年単位の時間を要する可能性もあるでしょう。

 

作成にかかる手間を最小限にするためには、先ほど紹介した「導入目的の設定」と「試験導入」の実施が必要です。また、厚生労働省が提供する「職業能力評価シート」を参考にするのもよいでしょう。

 

<参考>:職業能力評価シート(事務系職種)のダウンロード(厚生労働省)

<参考>:キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード(厚生労働省)

 

注意点(2)
スキルだけを重視しすぎる可能性がある

 

スキルは、仕事を通じて成果を出すうえで確かに必要なものです。ただし、仕事の成果は、スキルだけで決まるものではありません。

 

たとえば、高いスキルを持つ従業員であっても、会社の価値観に共感できなければ、組織とのミスマッチが生じる可能性があります。その状況が長く続けば、組織の心理的安全性やメンバーのモチベーション、エンゲージメントなどに支障が生じてしまうかもしれません。

 

こうした悪循環を防ぐためには、スキルに加えて“カルチャー”を重視する風土を作ることが大切です。
スキルとカルチャーには、以下の違いがあります。

 

 

  • 【スキル】仕事で求められる能力
  • 【カルチャー】組織や個人が大切にする価値観

 

 

なお、人事領域ではそれぞれ「スキルフィット」「カルチャーフィット」と呼ばれることもあるでしょう。

 

カルチャーは、会社の行動規範と連動することが多いものです。たとえば、コンビニエンスストア大手のローソンが従業員の行動指針として掲げる『ローソンWAY』は、企業が大切にする価値観を具体化した例の一つといえるでしょう。

 

 

  1. マチ一番の笑顔あふれるお店をつくろう。
  2. アイデアを声に出して、行動しよう。
  3. チャレンジを、楽しもう。
  4. 仲間を想い、ひとつになろう。
  5. 誠実でいよう。

 

<引用>:企業情報|グループ理念・ビジョン・ローソンWAY(株式会社ローソン)

 

 

以上が『ローソンWAY』です。このような行動指針を人事部が主体となって定めることで、スキルだけに偏らず組織として成長しやすくなるでしょう。

 

人事労務のアウトソーシングならラクラスへ

 

本記事では、スキルマップの定義やメリット、作成ステップを紹介してきました。スキルマップを展開していくには多くのポイントや注意点があるため、人事部のなかでも運用するのに負担を感じている方も多いのではないでしょうか。

 

もし人事労務における業務効率化をお考えであれば、ラクラスにお任せください。ラクラスなら、クラウドとアウトソーシングを掛け合わせた『BpaaS』により、人事のノンコア業務をアウトソースすることができコア業務に集中できるようになります。

 

ラクラスの特徴として、お客様のニーズに合わせたカスタマイズ対応を得意としています。他社では難色を示してしまうようなカスタマイズであっても、柔軟に対応することができます。それにより、大幅な業務効率の改善を見込むことができます。

 

また、セキュアな環境で運用されるのはもちろんのこと、常に情報共有をして運用状況を可視化することも心掛けています。そのため、属人化は解消されやすく「人事の課題が解決した」という声も数多くいただいております。

 

特に大企業を中心として760社86万人以上の受託実績がありますが、もし御社でも人事の課題を抱えており解決方法をお探しでしたら、ぜひわたしたちラクラスへご相談ください。

 

ラクラス人事BPOサービス

 

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