給与計算を業務委託するメリット・デメリット|給与計算アウトソーシングの費用相場や選び方も解説

2025.03.31

本記事では、給与計算を業務委託するメリット・デメリットを確認したうえで、業務委託の検討を始める目安や委託先選びのコツ、一般的な費用相場などを紹介していきます。給与計算アウトソーシングを検討中の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

毎月の給与計算が大きな負担になっている場合、皆さんはどう対応しているでしょうか。

 

昨今では、業務の全部もしくは一部を切り出し外部の専門業者に委託する流れが加速しています。給与計算の業務委託は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の一種であり、一般的に給与計算アウトソーシングと呼ばれています。

 

給与計算の業務委託で人事給与部門の負担を軽減し、高い費用対効果を得るためには、適切な流れで自社に合ったアウトソーシングサービスを選ぶことが重要です。

 

そこで本記事では、給与計算のなかでアウトソーシング可能な業務の種類やメリット・デメリットを確認したうえで、業務委託の検討を始める目安や委託先選びのコツ、一般的な費用相場などを紹介していきます。

 

業務効率化などの目的で給与計算アウトソーシングを検討中の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

外部委託できる給与計算業務の種類

給与計算アウトソーシングで外部に委託できる業務は、各社のサービス内容や契約形態によって変わります。ここでは、一般的なアウトソーシングサービスで委託可能な4つの業務を紹介します。

 

業務(1)給与計算の代行

 

給与計算アウトソーシングのメインになるのが、毎月のように発生する以下業務の代行です。

  • 勤怠情報(タイムカード)の集計
  • 人事情報の更新
  • 給与計算
  • 割増賃金の計算
  • 社会保険料の計算
  • 税金の計算
  • 賞与の計算 など

 

なかには、給与明細の作成・印刷・封入・発送をオプションとして請け負う業者もあります。

 

業務(2)給与・賞与の振込や納税の代行

 

振込・納税の代行としては、いくつかの委託パターンがあります。振込手続きに不安がある企業向けで多いのが、委託先で以下のすべてを担当するものです。

 

  • 給与・賞与の計算
  • 振り込みデータの作成
  • インターネットバンキングの画面で支払い情報の入力

 

また、振込・納税の担当が経理部門の場合、委託先が“給与計算後の振り込みデータ作成”までを代行するケースもあるでしょう。

 

業務(3)年末調整の代行

 

年末調整は、複雑性の高さからアウトソーシングされることが特に多い業務です。一般のサービスでは、以下の業務を委託することが可能です。

 

  • 年末調整システムの事前設定
  • 年末調整開始の案内・各種申告書の発送
  • 従業員からの問い合わせ対応
  • 申告書の回収、督促の連絡
  • 申告書類のデータ化
  • 申告書類と各種証明書のチェック
  • 不備・督促の連絡 など

 

年末調整の代行は、普段は給与計算アウトソーシングを利用していない会社からもスポット委託されることが多い業務になります。年末調整の代行サービスに関しては、下記のコラムも参考にしてください。

 

【コラム】年末調整の代行サービスとは?アウトソーシングできる業務や業者選びのポイントを6つ紹介

 

 

業務(4)住民税の年度更新代行

 

住民税の年度更新は、5月~6月に発生する業務です。このアウトソーシングでは、各自治体から届く「住民税の特別徴収納税額通知書」を委託先に送るだけで、以下の業務を代行してもらえます。

 

  • 封筒の開封
  • 書類の確認
  • 特別徴収納税額通知書の内容をデータ入力
  • 特別徴収額通知書(個人用)を個人ごとに封入
  • 封入した個人用の通知書と会社の控え、データを納品

 

住民税の年度更新は、年末調整に次いでボリュームが大きい業務です。また、自治体から届く封書の開封・仕分けだけでもかなりの手間になることから、年末調整と同様に多く業務委託が行われています。

給与計算を業務委託するメリット

給与計算を業務委託すると、様々なメリットがあります。ここでは4つを挙げて解説していきましょう。

 

メリット(1)給与計算のトータルコストを削減しやすくなる

 

給与計算の業務委託で最も削減しやすいのは、人件費です。

 

人件費には、給与の計算や振込といった実作業のほかに、新人に仕事を教える際の教育コストも含まれます。また、仮に給与計算の担当者が出産や介護などで休業するとなれば、引き継ぎで人件費がさらに発生することもあるかもしれません。

 

また、場合によってはシステム関連費用が削減できることもあります。

 

システム関連費用は、給与計算のソフトウェアやITサービスの導入・運用に必要なものです。契約内容や料金は、サービスごとに異なりますが、給与計算は法改正の影響を受けることから、定期的なライセンス更新料がかかってしまうケースが多いでしょう。

 

さらに、当然ながら給与計算では個人情報も取り扱います。計算用のコンピュータには厳重なセキュリティ対策が必要になりますので、委託することでそれらのコストも削減できるでしょう。

 

メリット(2)法改正による現場の負担が軽減する

 

給与計算は、税金や社会保障に関する法律の影響を受けるものですが、法改正は毎年のように行われています。そのため、給与計算を自社で行う場合には、人事給与部門の担当者が改正内容を正しく理解し、計算結果などに反映させなければなりません。

 

給与計算を業務委託することで、税金や社会保障などに詳しい専門家に給与計算を任せられるようになります。これにより、法改正によって生じる現場の負担は、かなり軽減できるでしょう。

 

メリット(3)コア業務に専念しやすくなる

 

人事給与部門には、大きく分けて以下2つの業務があります。

 

【ノンコア業務】給与計算や年末調整などの定型的な業務

【コア業務】自社に多くの売上や利益をもたらす人材の確保・育成や、組織変革などに関する業務

 

近年の人事領域では、少子高齢社会の加速による労働人口の不足や、新卒採用の早期化・長期化・複雑化などの影響から、自社に合う優秀な人材の獲得が難しくなる問題が生じています。また、終身雇用が崩壊して転職が一般化しつつあることから、自社に合わない社員の早期離職も増えているでしょう。

 

こうしたなかで、給与計算などの定型的な業務をアウトソーシングすれば、人事給与部門の担当者は「採用戦略の立案」や「新人の短期離職の防止」、「早期戦略化につながるオンボーディング施策の設計」等に専念しやすくなります。

 

メリット(4)人事業務の課題を洗い出せる

 

給与計算をアウトソーシングする際には、委託範囲を明確化するために、人事給与部門が担う役割や業務について以下のような課題の洗い出しが必要となります。

 

<課題の例>

  • 給与の締め日後に、Aさんの残業時間が大きく増える
  • 給与計算などの月次業務が忙しく、内定者のフォローまで手がまわらない
  • 定型業務が属人化してしまっている
  • 勤怠データの登録ミスが多く、給与計算にも支障が出ている
  • 紙提出の勤怠情報をExcelで一覧にするだけで、かなりの時間がかかっている
  • 振込データを経理に渡す時期が、いつもぎりぎりである など

 

日々の業務に忙殺されていると、解決すべき課題が見えなくなることがあります。しかし、給与計算アウトソーシングを利用するために課題の洗い出しを行うと、人事業務のボトルネックも見えやすくなるのは大きなメリットといえます。

給与計算を業務委託する注意点とデメリット

給与計算の業務委託にも、いくつかの注意点やデメリットがあります。ここでは、5つを挙げて解説します。

 

デメリット(1)委託先のスケジュールに合わせる必要がある

 

給与計算をアウトソーシングする場合、全作業を社内で行っていたときより早めのスケジュールでデータの取りまとめなどを行う必要が出てきます。

 

仮に業務委託によって空いた時間を会社説明会や採用面接などに充てる予定がある場合、そういった仕事の傍らで委託先の日程に合わせられるかどうかの確認が必要になるでしょう。

 

デメリット(2)法改正の情報収集は続ける必要がある

 

毎年のように改正される法律の知識は、人事給与部門が働きやすい労働環境や仕組みを作ったり、現場のサポートを行ったりするうえでも必要なものです。

 

たとえば、男性社員が産後パパ育休を取得しやすい環境整備をするなかでは、要件に該当した際に育休開始時の賃金における67%が雇用保険から支給されたり、社会保険料が免除されたりするなどの案内も積極的に行う必要があります。

 

また、現場の従業員からの「◯◯制度は改正されてどう変わったの?」や「自分のケースでは◯◯制度は利用できますか?」といった問い合わせに対応するのも、人事給与部門の大事な仕事です。

 

こうした問い合わせに迅速かつ丁寧に回答をするためにも、人事給与部門の担当者は自社に関連する法律知識をアップデートし続ける必要があるでしょう。

 

デメリット(3)社内に給与計算のノウハウが蓄積されなくなる

 

給与計算の業務を丸ごとアウトソーシングすると、その時点から給与計算ができる社内人材が育たなくなります。

 

仮にどこかのタイミングでコストなどの問題から業務委託ができなくなった場合、以下のような理由により社内での計算再開が難しくなることもあるでしょう。

 

  • この3年間で、給与計算のやり方を忘れてしまった
  • 前任者が離職してしまった
  • 以前に給与計算で使っていたソフトウェアを削除してしまった

 

社内に給与計算のノウハウが蓄積されなくなるのは、大きなデメリットといえます。

 

デメリット(4)個人情報漏えいなどのリスクがある

 

給与計算をアウトソーシングすると、社員の個人情報を外部の企業に渡す・見せることになります。業者によっては、データの入力や集計などの作業を正社員ではない非正規雇用の人材に任せていることがあるかもしれません。

 

業者側が、個人情報の取り扱い教育や徹底した管理などの対策を講じていない場合、大事な従業員の個人情報が漏えいなどのリスクに晒されやすくなってしまうでしょう。

 

デメリット(5)費用対効果が低い場合がある

 

本来のアウトソーシングサービスは、自社の予算や希望する業務範囲に合ったサービスを利用したときにはじめて、高い費用対効果が得られるものです。しかし、自社のニーズに合っていない専門業者と契約をしてしまうと、期待していた効果が得られない可能性があります。

給与計算の業務委託はどのような場合に検討すべきもの?

給与計算の業務委託には、それなりの費用がかかります。

 

人事給与部門にあまり多くの予算がない場合に「残業すればなんとか対応できる」や「業務委託より担当者の残業代のほうが安い」といった、無理をする方向の発想に陥りがちです。

 

では、給与計算の業務委託は、具体的にどのような状況になったら検討を始めるべきものでしょうか。3つの目安を紹介しましょう。

 

(1)従業員数が10人以上になったとき

 

従業員が10人以下の小さな会社の場合、給与計算の全業務を自社で行っても大きな負担にならないことが多いでしょう。そうした背景から、中小企業向けの給与計算アウトソーシングには、従業員10名以上を対象とするサービスが多い傾向があります。

 

自社の組織が大きくなるなかで給与計算の業務委託を検討するなら、従業員数が10人を超えそうになったタイミングで情報収集や比較検討を始めるのがよいでしょう。

 

(2)給与計算のミスを防ぎたいとき

 

小さな会社の場合、1~2人ほどの担当者が経理・労務・総務・人事の仕事を兼務していることが多いでしょう。

 

こうしたなかで社会保険労務士(社労士)資格を持たない担当者が独学で法律知識を身につけ、毎月の給与・賞与の計算などを行うことは、知識・経験不足による不安から大きなプレッシャーになることもあるはずです。

 

また、大企業であっても少人数でさまざまな業務を兼務している場合、給与計算や年末調整などでミスをしたときの修正対応が迅速に進められないかもしれません。このような状態で計算ミスを防ぐためには、給与計算のような定型的な仕事を切り出してアウトソーシングするのが適切です。

 

給与計算でミスが発覚した場合の対処方法や防止策については下記のコラムにまとめていますので、併せてご確認ください。

 

【コラム】給与計算でミスが発覚!適切な対処方法とリスク、効果的な防止策を解説

 

(3)ほかに専念したいコア業務が発生したとき

 

給与の計算は、人事給与部門のなかでも特に重要な仕事の一つです。労働基準法第24条に「賃金支払いの5原則」があることから、原則的には支払いの遅れなども許されません。仕事の優先度も自ずと高くなるのです。

 

<参考>:賃金の支払い方法に関する法律上の定めについて教えてください。(厚生労働省)

 

その一方で、近年の人事給与部門には、ビジネス環境の著しい変化の影響から業務量が増大し、以下のような対応に力を入れなければならない状況が生まれやすくなりました。

 

  • 現状に合った採用戦略の立案
  • 内定者フォローの実施
  • オンボーディング/オフボーディングの設計・実施
  • ダイバーシティ経営の推進
  • 人事評価制度や教育計画の見直し など

 

上記は、自社の現状をよく知る人事給与部門でなければできない「コア業務」です。コア業務は、自社の組織を維持し中長期な成長を続けるうえで不可欠なものとなります。

 

仮に現在の自社に人・組織・生産性などの課題があり、上記のような取り組みの必要性を感じている場合は、人事担当者がコア業務に専念しやすい仕組みづくりとして、給与計算の仕事を外に切り出すことを検討するとよいでしょう。

給与計算アウトソーシングの種類と特徴

給与計算のアウトソーシングサービスには、さまざまな種類があります。これから導入を検討する際には、それぞれの種類の特徴やメリット・デメリットを理解したうえで、自社に合うものを選ぶことが大切です。

 

ここでは、6種類の給与計算アウトソーシングを紹介しましょう。

 

(1)フルサポート型の給与計算アウトソーシング

 

給与計算の関連業務を一括で代行できるサービスです。

 

フルサポート型のメリットは、「給与計算の担当者が採用できない」や「制度改正にどう対応したらいいのかわからない」といった人手や専門知識の不足に関する問題を解消できる点です。サービスによっては、通勤費関連業務・勤怠データの集計・経理データ作成などをオプションで対応してくれるものもあります。

 

ただ、フルサポート型の場合は、多彩な業務に対応するため費用が高くなりがちです。また、“フル”がどこからどこまでの業務を指すかは、業者ごとに異なります。事前にしっかり取り決める必要があるでしょう。

 

(2)スポット型の給与計算アウトソーシング

 

スポット対応型は、繁忙期や特定業務に限定したものです。たとえば、以下のようなケースで利用しやすいものとなります。

 

  • 3月~7月は、新卒の会社説明会や採用面接で給与計算に集中できない
  • 年末調整の時期だけ人手が足りない
  • 通常の給与・賞与は計算できるが、年末調整の手続きがよくわからない など

 

スポット対応型のメリットは、必要なときだけ利用することでコストを抑えられる点です。ただし、基本的には割高となりますし継続的な利用には向きません。

 

また、従業員とのやり取りや内容確認などの業務が残りやすいことから、フルサポートと比べて本質的な課題解決につながりにくい特徴もあります。

 

(3)システム系の給与計算アウトソーシング

 

システム系の給与計算アウトソーシングは、給与計算の代行に加えて、自社で使えるシステムまで提供してくれるものです。

 

具体的なサービス内容はシステム会社によって異なりますが、多くの場合、既存の勤怠管理システムと連動させたり自社にニーズに合わせたカスタマイズをしてくれたりする利点があるでしょう。大量のデータ処理に対応したサービスも多くあります。

 

ただ、システム系の場合はデータ連携やカスタマイズ要件の洗い出しからプロジェクトが始まります。そのため、ヒアリング~システム設計~導入~運用までに多くのコストと時間がかかるケースが多いでしょう。

 

また、カスタマイズや他のシステムとの連携を求める場合、システム担当者との打ち合わせをするために専門知識が必要となることもあるかもしれません。

 

(4)クラウド系の給与計算アウトソーシング

 

クラウド系の給与計算アウトソーシングは、クラウド上にある共通のプラットフォームを使って給与計算のアウトソーシングができるサービスです。

 

先述のシステム系と比べると、導入・運用がシンプルで、コストも安く抑えやすいでしょう。また、専用システムは常に最新の情報にアップデートされますので制度改正への対応も万全です。

 

(5)税理士・社労士による給与計算アウトソーシング

 

給与計算アウトソーシングのなかには、税理士事務所や社会保険労務士事務所が運営しているサービスもあります。多くの場合、税理士もしくは社会保険労務士が常駐しており、給与計算や年末調整といったベーシックな代行が中心になります。

 

どちらかといえば、プロのアドバイスや柔軟な対応を求める中小企業向けといえるかもしれません。

 

(6)銀行系の給与計算アウトソーシング

 

銀行のシステム部門から派生したものもあります。具体的なサービス内容やアピールポイントは、以下のようにかなり多彩です。

 

  • 強固なデータセンターで運用、災害対策も万全
  • 従業員1名~対応可能
  • 給与明細の電子化や年末調整クラウドシステムとの連携も可能
  • 他社パッケージや自社独自システムとの連携も可能

 

金融機関の運用で培った複雑な計算ナレッジをベースとしながら、幅広いシステムとの連携ができるサービスが多いでしょう。

給与計算アウトソーシングの費用相場

給与計算アウトソーシングの料金は、利用するサービス(委託先)・種類・業務範囲・従業員数などの要素で大きく変わります。ここでは、中小企業向けと大企業向けに分けて、それぞれの費用相場を見ていきましょう。

 

中小企業向け給与計算アウトソーシングの費用相場

 

従業員数50人未満の中小企業向けサービスでは、基本月額料金が6,000~55,000円ほど、従業員1人あたりの月額料金が400円~900円ほどになることが多いです。

 

ただし、たとえば社会保険労務士による専門的なサポートや、フレキシブルな情報分析まで対応できる場合、以下のような金額が提示されることもあります。

 

  • 従業員1人あたり年間10,000円~
  • 従業員数5名以下で月額54,000円~

 

また、給与の振込代行や、給与明細の印刷・封入、源泉徴収票の発行といった業務はオプションとなり、別途費用が請求されるケースも多いでしょう。

 

大企業向け給与計算アウトソーシングの費用相場

 

どこまでのシステム(サービス)を導入するかにもよりますが、大企業が先述の中小企業と同レベルの契約をした場合、従業員1人あたりの料金にすると450円~と少し割安になることが多いです。

 

ただし、従業員数が数百人以上の大企業になると、人事全体の業務効率化を図る目的から、給与計算に加えて勤怠管理や社会保険業務などの総合的なアウトソーシングやシステム導入・連携を求めるケースが増えるようになります。

 

この場合、当然ながらシステムの設計や運用などの費用もかかります。また、そのケースに該当すれば、給与計算の委託が中心となる中小企業と比べて多くの月額料金や初期費用を支払う必要が出てくるかもしれません。

 

一般的には、大企業向けの基本月額料金は12,000円~45,000円ほどとされていますが、場合によっては、以下の金額が請求されるケースもあるでしょう。

 

  • 【従業員300人規模】初期費用200万円~、年間運用費200万円~
  • 月額15万円~

給与計算アウトソーシングの委託先を選ぶ3つのコツ

ここまで給与計算アウトソーシングの種類や費用をご紹介してきてお分かりのとおり、給与計算の業務委託で人事給与部門の課題を解決するためには、自社に合った委託先やサービスを選定することが重要です。

 

ここでは、給与計算アウトソーシングを選ぶためのポイントを改めて3つ挙げて解説していきましょう。

 

ポイント(1)アウトソーシングの利用目的と要件を明確化する

 

「自社がアウトソーシングを利用する目的」と「委託要件」の明確化は、業務委託の失敗を防ぐうえで不可欠なものです。

 

利用目的は、自社が最も解決したい課題でも構いません。以下のような目的・課題を明確にすることで、委託先を選ぶ際の最優先事項が見えやすくなります。

 

<目的・課題の例>

  • Aさんの負担を減らし、採用戦略策定などのコア業務に専念させたい
  • 最近ミスが重なっているため、プロへの委託で仕事の正確性を高めたい
  • 既存の給与計算システムを活用したアウトソーシングを求めている
  • 年末調整時期はパートさんを雇うので、給与と賞与の計算だけを外注化したい
  • 予算の範囲内で、なるべく多くの業務を委託したい など

 

アウトソーシング要件は、以下の項目が中心になるでしょう。

<要件の例>

  • アウトソーシングの開始時期
  • 想定予算(初期費用◯万円/月額◯万円)
  • 従業員構成(全従業員◯人(正社員◯人・契約社員◯人・パートタイマー◯人……)
  • 業務範囲(例月給与、給与支払い処理、賞与、異動・退職処理、年末調整、源泉徴収票N作成・給与支払報告書の作成・区分け、市町村対応 など)
  • 希望する役割分担
  • 既存システムの利用有無 など

 

上記の利用目的と要件は、可能な限り細かく言語化されていることが理想です。この2つを整理しておくと、委託先業者への相談や打ち合わせなども行いやすくなるでしょう。

 

ポイント(2)委託先の候補を選定する

 

委託先業者には、それぞれに以下のような得意分野があります。

 

<得意分野の例>

  • 従業員数10人以下の小規模企業に対するトータルサポートが得意
  • 従業員数100人以上の大企業に対する導入実績が多い
  • 既存システムの利活用や連携が得意
  • シンプルな基本プラン+豊富なオプションを用意、低料金での委託が可能 など

 

たとえば、従業員数が15人で低料金のサービスを求める場合、同規模の会社への実績が多く基本プランがシンプルな業者がおすすめでしょう。そこで給与計算のトータルサポートを行う業者を利用した場合、自社が求める以上の業務を委託することになり、コストが大幅に増大してしまうかもしれません。

 

各社のホームページや資料などを見て、過去の実績や得意分野などから自社に合いそうな業者をいくつかピックアップしていくとよいでしょう。

 

ポイント(3)候補となる企業に見積もりを依頼して比較する

 

自社のニーズに合いそうな企業が見つかったら、複数社から見積もりをとりましょう。候補企業に見積もり依頼をする際には、以下のような前提条件を合わせておく必要があります。

 

  • 従業員対応まで含めるかどうか
  • 計算結果のチェック作業まで含めるかどうか
  • データ移行の支援があるかどうか
  • 勤怠などの紙申請も含めるかどうか など

 

見積もりが集まったら、比較検討をしていきます。ここでのポイントは、自社の予算内で高い費用対効果が得られるかどうかです。具体的には、最初に設定した目的・目標の達成や課題の解決ができるかどうかを見極めましょう。

 

また、多くの場合、最も安い見積書に惹かれがちです。料金が安いに越したことはありませんが、本当の意味で自社に合うサービスを見つけるためには「この業者はなぜこんなに安いのだろう?」といった疑問を持つことも重要です。

 

人事業務のアウトソーシングならラクラスへ

本記事では、給与計算でアウトソーシング可能な業務の種類やメリット・デメリットをご紹介し、そのうえで業務委託の検討を始める目安や委託先選びのコツ、一般的な費用相場などを解説してまいりました。

 

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ラクラス人事BPOサービス